今回はキャベツがかかる病気「菌核病」について皆さんにご説明をいたします。キャベツを家庭菜園で育てていると、下葉の軸に近い部分が淡褐色や灰褐色の病斑が出来たことありませんか?
それは「菌核病」かもしれません。菌核病をそのままにしておくとやがて軟化し、腐ってしまいます。この症状は結球する時期に発生しますので、「もう少しで収穫だ」という時にかかってしまいます。
そんな時に、腐ってしまうだなんて悲しいですよね。そんなことにならないように今回は菌核病によく効く薬や、防除方法、そしてかかってしまったキャベツが食べられるかどうかということをお伝えいたしますので、最後まで読んでくださいね。
キャベツの菌核病に効く農薬は?
では、はじめにキャベツの菌核病によく効く農薬をご紹介致します。病気を根絶するには薬を使うのが一番です。ここではおすすめの農薬を3つご紹介いたします。
【キャベツの菌核病によく効く農薬①】
住友化学園芸 ベニカXネクストスプレー
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〇商品の特徴
花、庭木、野菜(トマト・きゅうり・なす・キャベツ・レタス・リーフレタス・メロン)など幅広い植物に使える、化学防除成分と物理防除成分を組み合わせた殺虫殺菌スプレーです。
使用方法・・・そのままスプレーする
使用時期・・・収穫の7日前まで
使用回数・・・2回まで
【キャベツの菌核病によく効く農薬②】
住友化学園芸 GFベンレート水和剤
〇商品の特徴
浸透移行作用により病原菌の侵入を防ぐ予防効果と、侵入した病原菌を退治する治療効果を兼ね備え、病原菌の細胞分裂を阻害して防除します。
使用方法・・・水に薄めて散布
希釈倍率・・・2,000倍
使用時期・・・収穫の7日前まで
使用回数・・・6回まで
【キャベツの菌核病によく効く農薬③】
日本農薬株式会社 トップジンM水和剤
〇商品の特徴
速攻性と残効性を有し、優れた効果が長続きする。
低濃度で高い効果があり、作物の汚れが少ない殺菌剤である。
強い浸透力があり、植物体に侵入している病原菌を死滅させる力を持つ。
使用方法・・・水に薄めて散布
希釈倍率・・・1000~1500倍
使用時期・・・収穫の3日前まで
使用回数・・・2回まで
今回紹介したのはいずれも薬品です。使用方法をよく読んでから使うようにしましょう。
キャベツの菌核病を防除(予防)するには?
つぎにキャベツの菌核病の防除方法をお伝えいたします。病気にならなければ病気を治療する必要もありませんよね。ですから、予防をしっかりして病気を防ぎましょう。ここでは菌核病の防除方法を3つご紹介いたします。
【キャベツの菌核病防除対策①】
菌核病発生土壌での連作を避ける
キャベツの菌核病の原因は糸状菌といわれるカビです。この糸状菌は土の中で長期間生存します。ですので、菌核病が発生した土壌で、再度栽培をしようとすると菌が残っている可能性が高いです。
ですので、菌核病が発生した場所で連作することは避けるようにしましょう。
【キャベツの菌核病防除対策②】
天地返しをする
みなさんは天地返しって知っていますか?天地返しは名前の通り、天と地をひっくり返すように表層と下層の土を入れ替える作業のことです。
この作業を行うことで、糸状菌を地中深くに埋め込みます。目安としては地表から10cmくらいです。土を上下入れ替えて予防しましょう。
【キャベツの菌核病防除対策③】
圃場の環境整備
キャベツを育てる圃場を風通しが良く、日光が良く当たる場所にしましょう。また、育てる前に水はけの良い土壌にするために、土壌改善をしましょう。
薬に抵抗のある方は予防をしっかりして、病気にかからないようにしましょう。
キャベツが菌核病に…食べられるの?
さて、最後にキャベツが菌核病にかかってしまった場合、食べられるのかということをお伝えいたします。早速結論からお伝えいたしましょう。菌核病になったキャベツは・・・「食べられます!!」
ですが、注意点があります。病気にかかっているキャベツでも、病気にかかっている部分(淡褐色や灰褐色の部分)は避けて、食べるようにしましょう。
ですので、病気の初期の段階で、まだ病気がそれほど広がっていないときに、これ以上広がらないようにキャベツを収穫してしまい、病気にかかっている部分を切除して、食べるようにしましょう。
また、病気にかかった部分はその場に放置することなく、必ず処分してください。圃場から移動し、焼却したり、地中深くに埋めたり適切に処分してください。
やはり、病気は早期発見・早期対策がとても重要です。ですので、日頃の観察というのが大切になってきます。病気の拡大を防げますし、希望の大きさまで育ちはしませんが、食べることもできます。
水やりの時などに育てている野菜を観察する癖をつけるようにしましょう。そうしたら「なんかいつもと違うな。」わかるようになり、今回ご紹介した菌核病以外にも他の病気や害虫被害に気づくことが出来て、野菜を守ることが出来ますよ。
まとめ
今回はキャベツがかかる病気「菌核病」について皆さんにご説明をしたしました。その中でも菌核病によく効く農薬や、菌核病の予防方法、そして菌核病にかかってしまったキャベツが食べられるのか?ということについて説明をいたしました。
今回の内容が皆さんのキャベツ栽培にお役に立てたなら、本当に嬉しいです。
今回のポイントは
①よく効く農薬は
・ベニカXネクストスプレー
・GFベンレート水和剤
・トップジンM水和剤
②防除対策は
・菌核病発生土壌での連作を避ける
・天地返しをする
・圃場の環境整備
③かかったキャベツは食べられるのか?
・食べられます!
・でも、病気にかかっているところは切除しましょう。
でした!
今回のポイントをしっかりと押さえて、おいしいキャベツを沢山育てましょう。
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