アブラナ科の野菜には、キャベツやブロッコリー、ハクサイ、大根などがありますが、比較的簡単に育てることができるので人気があります。
カリフラワーも代表的なアブラナ科の野菜で、花蕾の部分を食し、味が良いのが特徴です。
カリフラワーの栽培時期は、春から初夏にかけての春まきと、秋口から冬にかけての夏まきがありますが、夏まきの方が害虫も少なくおすすめです。
カリフラワーの病気で気をつけなければならないものに、菌核病があります。
カリフラワーの菌核病とはどのような病気なのか、菌核病に効く農薬と、菌核病対策について解説していきます。
カリフラワーの菌核病とは
カリフラワーの菌核病とはどのような病気なのかについて解説していきます。
カリフラワーの菌核病とは、糸状菌(カビ菌)を原因とする野菜など植物の病気です。
菌核とは発症した野菜の茎などの組織や土の中に、菌糸が塊となるのでこの塊を菌核と呼んでいます。
菌核病の菌核は、発症した野菜から畑などに落ち、土の中で冬の間も生存しますが、2から3年もの間生きていることもあります。
その後温度条件や湿度の条件がそろった段階で発芽し、胞子を形成します。
菌核病の菌が好む温度は15度から25度なので、春や秋に発芽する場合が多く、胞子は風などで舞い上がり、カリフラワーの傷口などから感染し、他の株にも広がっていきます。
菌核病が特に広がる時期は、3月から5月、あるいは9月から11月で、カリフラワーの生長時期と重なります。
菌核病に特徴的な症状としては、茎部分に発症することも多く、地面近くの茎や枝分かれ部分、花蕾などに淡褐色や暗い緑色の水浸状の病変から、軟化し腐っていきます。
病変部は白い綿毛のような気中菌糸を生じ、その後大きさ5mm位のネズミの糞のような菌核を作ります。
そのままほうっておくと、カリフラワーは枯れてしまうので、よく観察し早めの対応を行いましょう。
菌核病に効く農薬とは
菌核病に効く農薬について解説していきます。
参考にして、おいしいカリフラワー栽培に挑戦してみてください。
【GFベンレート水和剤】
|
GFベンレート水和剤は、ベノミルという有効成分によりカビ菌を原因とする多くの病気に効果を発揮する農薬の一つです。
使用方法は、類白色水和性粉末を規定量、水に希釈して散布するのみなので、使いやすくおすすめの農薬です。
カリフラワーなどの菌核病の他に、うどん粉病、炭疽病、黒斑病など広い範囲の病気に使うことができます。
使用できる野菜類としては、かぼちゃ、キュウリなどのウリ科、トマト、ナスなどのナス科、ハクサイ、キャベツ、などのアブラナ科の他に、豆類、花卉類や樹木、果物の病気にも有効です。
薬剤自体に浸透移行性があるので、カビ菌などの病原菌の侵入を抑制する効果(予防効果)があります。
病原菌がカリフラワーなどに入った場合でも、カビ菌の細胞が分裂するのを抑制することで、カビ菌を退治する治療効果があります。
カリフラワーを種から育てる場合には、種子粉衣という方法も有効で、GFベンレート水和剤は種に対しても、苗に対しても有効に働く農薬です。
使用する際には、希釈倍率や使用回数、使用時期など守り、適切な保護具を着用して散布するようにしましょう。
菌核病の対策とは
カリフラワーの菌核病対策について、予防方法などを中心に解説していきます。
菌核病が発生した場合には、発生した株を早めに取り除きましょう。
特に菌核病の菌核が形成されると胞子を発生する原因となり、他の株に伝染していく可能性があります。
取り除いた株は、畑の隅などに放置せずビニール袋などに入れてきちんと廃棄するようにしましょう。
前の年に菌核病が発生した場合には、菌核がカリフラワーの残渣や土の表面に残っている場合があります。
カリフラワーの残渣はきちんと取り除きましょう。
また土の表面の菌核をすべて取り除くのは困難なので、土を入れ替えたり、表面の土を下にする「天地返し」を行いましょう。
連作を避けることは、菌核病などを含む病気や、害虫対策にも有効です。
カビ菌を原因とする病気の予防方法としては、多湿を避けるという方法もあります。
カリフラワーの株間を十分にとるとともに、水はけにも気をつけましょう。
水はけの悪い土壌にカリフラワーを植える場合には、高畝にすることにより、カリフラワーのまわりに水がたまらないように注意しましょう。
泥はねにより菌核病のカビ菌が、カリフラワーに付着することもあるので、マルチシートを使って予防すると良いでしょう。
まとめ
1.カリフラワーの菌核病に効く農薬と菌核病の対策はどうする?
カリフラワーの菌核病とはどのような病気なのか、菌核病に効く農薬と、菌核病対策について解説していきます。
2.カリフラワーの菌核病とは
カリフラワーの菌核病とは、糸状菌(カビ菌)を原因とする病気で、発症した野菜や土の中に菌核という塊を形成します。
菌核は、土の中で2から3年もの間生き延び、条件がそろうと発芽し胞子を形成します。
春から秋によく発生するので、カリフラワーの生長時期とも一致しています。
菌核病は、茎部分に発症することも多く、地面近くの茎や枝分かれ部分、花蕾などに淡褐色や暗い緑色の水浸状の病変から、軟化し腐っていきます。
3.菌核病に効く農薬とは
GFベンレート水和剤は、水で希釈して使用するカビ菌が原因の多くの病気に有効です。
薬剤自体に浸透移行性があるので、カビ菌などの病原菌の侵入を抑制する効果(予防効果)と、カビ菌の細胞分裂を抑える治療効果があります。
病原菌がカリフラワーなどに入った場合でも、カビ菌の細胞が分裂するのを抑制することで、カビ菌を退治する治療効果があります。
4.菌核病の対策とは
菌核病の対策としては、発生した株の除去と処分、土の入れ替えや天地返し、連作を避けることなどがあります。
他の対策としては、株間を十分にとる、水はけをよくする、高畝にする、マルチシートの活用、などがあります。
|
コメント