ジャガイモは、味も良く、どんな料理法とも相性が良いので、家庭菜園などでも人気のある定番の野菜となっています。
春先からはジャガイモの植え付けも始まりますが、せっかく育てたジャガイモを掘り出した時に腐っていたらショックですよね。
ジャガイモは比較的育てやすい野菜なのですが、注意しなければならない害虫や病気があります。
その一つが、ジャガイモが腐る病気なのです。
ここからは、ジャガイモが腐る病気とはどのようなものなのかについて解説していきます。
そして腐る病気の対策はどのようにすればよいのか、腐る病気の予防方法などについても解説していきます。
参考にして、おいしいジャガイモを育ててください。
ジャガイモが腐る病気とは
ジャガイモが腐る病気には、主たるものとしては2つあります。
一つは軟腐病でもう一つは黒アシ病です。
軟腐病の場合の症状は、地面付近(特に接している部分)の葉が溶けたように腐ってきますが、徐々に茎の部分に症状が進んでいきます。
茎が弱ってくると、地面付近の茎から上の部分まで、病気は進行していき、葉も縮れたようになり、茎毎倒れてしまいます。
軟腐病は、せっかくなったジャガイモにも伝染し、収穫して保存したジャガイモも腐っていきます。
厄介なのは、軟腐病は伝染性があるので、感染していない元気なジャガイモにも伝染していくことです。
軟腐病の原因は、土中にいる軟腐病菌で、軟腐病菌にジャガイモが感染することで発生します。
ジャガイモの根や茎に傷がついたり、害虫に食べられたりした傷口から軟腐病菌が入り込むことで感染するのですが、泥はねによって、感染することもある病気です。
特に高温多湿の環境で発生するので、雨の多い梅雨の時期や、台風などの時期に多く発生します。
軟腐病とよく似た症状のジャガイモの病気に黒アシ病があります。
茎の根元の部分が黒くなっていく病気で、原因は、タネ芋にあるといわれています。
黒アシ病に感染したタネ芋を使用すると、タネ芋から腐って徐々に茎に広がっていく病気です。
ジャガイモの病気対策はこうすべき
ジャガイモが腐る病気の軟腐病の病気対策について解説していきます。
軟腐病の対策として有効なのは、薬剤散布で良く知られているのはコサイドⓇ3000という薬剤です。
猛暑やゲリラ豪雨など、軟腐病が発生しやすい天候が多くなっている昨今の状況では、薬剤散布は比較的簡単で効果のある対策の一つとなっています。
コサイドⓇ3000とは、銅殺菌剤と呼ばれているもので、銅の強力な殺菌作用で、軟腐病菌を殺菌してくれます。
他の銅殺菌剤に比べて、コサイドⓇ3000は、銅のイオンを放出する性能が高く、とても高い殺菌効果を得ることができます。
コサイドⓇ3000は、薬剤が水に濡れることによって、銅イオンを放出し、ジャガイモを軟腐病菌の感染から守ってくれます。
コサイドⓇ3000の使い方は、水に希釈して、ジャガイモの葉などに散布するのですが、軟腐病の場合には希釈倍率が1000倍と、とても少ない量で効果があり経済的にも優しいのが特徴です。
また、コサイドⓇ3000は、使用回数にも制限はなく、高温多湿になる時期に1回/週のペースで使っても問題はありません。
薬剤以外の対策としては、感染している茎やジャガイモを見つけたら、すぐに処分するようにしましょう。
処分は、畑の別の場所に捨てるのではなく、ビニール袋などに入れて廃棄することをお勧めします。
黒アシ病の対策としては、タネ芋を買う際に、ホームセンターなどでタネ芋用として売られているものを購入しましょう。
タネ芋として販売されているものは、きちんと管理されて育てられているので、黒アシ病に感染している可能性は低くなっています。
ジャガイモの病気予防とは
ジャガイモの軟腐病を中心とした病気予防について解説していきます。ジャガイモの他の病気の予防にも役立つので、参考にしてみてください。
軟腐病は、高温多湿の時期に良く発生するといわれています。
土の中の水分量が長い間多いと、発生しやすくなるので、水はけのよい土壌になるように土壌改善を行いましょう。
ジャガイモを植える際の畝の高さを高めに設定しておくと、ジャガイモの周りの水分が抜けて、乾燥しやすくなります。
連作はなるべく避けるようにしましょう。
ジャガイモは特に連作を嫌う野菜ですが、特に軟腐病が発生した畑では、連作を避けた方が良いでしょう。
マメ科やイネ科の野菜は軟腐病に感染しないので、マメ科やイネ科の野菜を作ると良いでしょう。
PHを適正に保ちましょう。
野菜の多くは酸性土壌を嫌うので、PH調整のために石灰をまくことがあります。ジャガイモの場合には、比較的低いPHを好みます。
特にPHが5.5を超え6程度になると軟腐病の発生が多くなるので、PHは低めの方が良いでしょう。
心配な場合にはホームセンターなどでPH測定用の試験紙が販売されているので、使ってみることをお勧めします。
PHが高い場合には過リン酸石灰などでPHの調節が可能です。
軟腐病は、ジャガイモの傷から感染するので、ジャガイモの傷対策も大切なポイントです。
土寄などの際には、傷をつけないように気をつけてください。
また芽カキは、刃物などを用いずに、芽の付け根から、抜き取るようにしましょう。
虫の食害による傷にも気をつけた方が良いでしょう。
防虫シートや殺虫剤などを組み合わせて虫対策すると良いでしょう。
まとめ
1.ジャガイモが腐る病気の対策と予防方法はどうすればいい?
ジャガイモは味もよく、家庭菜園などでも定番の野菜ですが、ジャガイモが腐る病気があります。
ジャガイモが腐る病気とはどのようなものなのか、対策と予防方法について解説します。
2.ジャガイモが腐る病気とは
ジャガイモが腐る病気には、軟腐病と黒アシ病があります。
軟腐病は、土壌中の軟腐病菌が、ジャガイモの茎の傷などから感染する病気で、黒アシ病はタネ芋がもともと感染しています。
軟腐病は、茎の土に近い部分から溶けたようになり、徐々に上に広がっていきます。
軟腐病に感染したジャガイモは、収穫したあとも元気なジャガイモに軟腐病を伝染させます。
黒アシ病は、茎の下の部分が黒くなっていく病気です。
3.ジャガイモの病気対策はこうすべき
ジャガイモの軟腐病対策にはコサイドⓇ3000という薬剤の散布が効果的です。
使用回数の制限もなく、銅イオンを発生し、強力な殺菌効果で、アンプ病菌を殺菌します。
黒アシ病の対策は、きちんと管理されたタネ芋をホームセンターで購入することです。
4.ジャガイモの病気予防とは
ジャガイモの病気予防は、水はけの良い土壌に改良すること、畝を高めにすること、PHを低めに調整することのほかに、茎に傷をつけないことなどがあげられます。
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