ウリ科の仲間のきゅうりは、家庭菜園では初夏から秋口まで栽培できるので人気がある野菜の一つです。
きゅうりが大きくなる時期は、気温も比較的高いため、害虫や病気に気をつける必要があります。
きゅうり栽培で気をつけるべき病気としてつる割れ病があります。
つる割れ病は、糸状菌というカビ菌が原因となる病気です。
つる割れ病の症状としては、地面に近い部分の茎の変色から始まり、進行すると茎が割れ、きゅうりが枯れてしまうこともあります。
きゅうりのつる割れ病用としておすすめの農薬や、つる割れ病の治療法、つる割病の対策について解説していきます。
きゅうりのつる割れ病用の農薬は
きゅうりのつる割れ病用として効果の期待できる農薬について解説していきます。
【GFベンレート水和剤】
GFベンレート水和剤の有効成分はベノビルという薬剤で、殺菌作用を持っています。
適量の水で希釈してきゅうりに散布するのが基本的な使用法ですが、種子粉衣という方法を用いて、種の段階からつる割れ病の予防をすることができます。
散布した薬剤はきゅうりの茎にしみこんでいく浸透移行性を持っており、つる割れ病の病原菌の侵入を防ぐ予防効果を発揮します。
さらにきゅうりに侵入したカビ菌の細胞が分裂するのを阻害する、治療効果も持ち合わせているので、つる割れ病になった後でも使えます。
きゅうりに使う場合には、収穫前日まで散布が可能となっており、散布から収穫までの日数管理も簡単にすることができます。
GFベンレート水和剤は、カビ菌を原因とする様々な病気、菌核病、灰色かび病、炭疽病、黒星病、つる枯病などに有効です。
GFベンレート水和剤は、きゅうり以外としては、かぼちゃ、スイカなどのウリ科、トマト、ナス、ピーマンなどのナス科、ブロッコリー、ハクサイ、キャベツなどのアブラナ科の野菜にも有効です。
使用する際には、説明書をよく読み、必要な保護具を着用して散布するようにすることをおすすめします。
きゅうりのつる割れ病治療は
きゅうりのつる割れ病は、根から病原菌が侵入する病気なので、農薬なしの治療は困難です。
ごく初期であれば、GFベンレート水和剤を散布することで治療効果が期待できますが、農薬を使用しない治療は難しいというのが現状です。
つる割れ病の初期症状としては、きゅうりの下の方の葉が、昼間はしおれ夜に元気になるという状態を繰り返しますが、少しずつ上の葉も同じ症状になります。
つる割れ病になると、水を吸い上げる力が弱くなるので、水分の蒸発量が多い昼間に、しおれやすくなるからです。
このような症状がでたらつる割れ病をうたがって、きゅうりの株元をよく観察しましょう。
GFベンレート水和剤は、昼間に葉がしおれていることを確認したら、特に株元付近を中心に散布しましょう。
治療ではありませんが、つる割れ病を他の株に広げないようにすることも、最善の方法といえます。
つる割れ病の株を発見したら、なるべく早く抜き取り、ビニール袋などに入れて廃棄しましょう。
畑の隅に置いておいたり、穴を掘って埋めたりすると、つる割れ病を発症した株からカビ菌が他の株に移り、他の株もつる割れ病にかかってしまうおそれがあります。
またカビ菌は土の中に長い間潜んでいますので、翌年植えたきゅうりにつる割れ病が発生しやすくなります。
つる割れ病はとにかく予防を第一に考えてきゅうりを栽培するように心がけましょう。
きゅうりのつる割病対策は
つる割病はとにかく、発症させないことが大事です。
農薬などを使わない方法でのつる割病対策について解説していきます。
カビ菌が原因のきゅうりの病気対策の第一歩は、カビ菌が好まない環境を作ることです。
湿気がきゅうりの周りにたまらないように心がけましょう。
きゅうりを植えるときには、水はけのよい場所を選びたいものですが、水はけを確保できない場合には高畝などを検討しましょう。
つる割病が発生しやすい土壌の状態としては、土のpHがあげられます。
つる割病を発症させないためには、pHが酸性に傾かないように、定植の少し前に、石灰などを施してpHを調整しましょう。
つる割病に限らず、連作を行うと病気や害虫に悩まされることがあります。
連作は行わず他の野菜、例えばイネ科の野菜との輪作を考えましょう。
肥料の成分として、窒素の含有量が多いと、つる割病を発症しやすくなるといわれています。
バランスの良い施肥が大事ですが、完熟したたい肥を用いることも検討してみてください。
コンパニオンプランツとしてネギが有効だといわれています。
ネギの根には、つる割病のカビ菌が増えるのを抑える菌がついているからだといわれています。
きゅうりの間にネギなどを植えておくと、きゅうりもネギも楽しめて一石二鳥といえます。
まとめ
1.きゅうりのつる割れ病用の農薬と治療法とつる割病対策とは?
きゅうりのつる割れ病用としておすすめの農薬や、つる割れ病の治療法、つる割病の対策について解説していきます。
2.きゅうりのつる割れ病用の農薬は
GFベンレート水和剤は、浸透移行性を持っており、つる割れ病の予防効果とカビ菌の細胞分裂を阻害する治療効果を持っています。
水で希釈して散布すればよく、きゅうりの場合には収穫の前の日まで使用することができます。
3.きゅうりのつる割れ病治療は
農薬を使わないで、つる割れ病の治療を行うのは困難で、つる割れ病の株を見つけたら早めに抜き取り、ビニール袋などに入れて廃棄します。
4.きゅうりのつる割病対策は
きゅうりのつる割病対策としては、水はけを良くすること、高畝、pHの管理、輪作を行うこと、バランスの良い施肥、コンパニオンプランツの活用、などがあげられます。
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