夏野菜の一つのかぼちゃは、キュウリやナス、トマトなどと並んで、人気があり家庭菜園などでも盛んに栽培されています。
かぼちゃは初心者でも比較的作りやすいのも特徴の一つで、日当たりが良い場所であれば、たいていの場所で栽培することができ、収量も期待できます。
かぼちゃを栽培する上で気をつけなければならない病気の一つとして灰色かび病があります。
かぼちゃの灰色かび病とはどのような病気なのか、灰色かび病に効く農薬、灰色かび病の対策について解説していきます。
かぼちゃの灰色かび病とは
かぼちゃの灰色かび病とはどのような病気なのかについて解説していきます。
かぼちゃの灰色かび病は、かび菌であるボトリチス・シネレアが原因となって発生していく病気です。
かぼちゃの灰色かび病の症状としては、まず花弁から発症し、小さなかぼちゃが黄褐色に変色し、柔らかくなり、灰色のかびが発生していきます。
葉に発生した場合には、円形をした病変ができ、そのあとに灰色のかびが発生していきます。
葉に灰色かび病が発生した場合には、光合成を阻害するので、生長しづらくなり、最悪の場合には枯れてしまいます。
また灰色かび病は実に広がっていきます。
かぼちゃの実に発生した場合にはやがて実は腐ってしまいます。
実の灰色かび病は、葉にも広がっていきます。
灰色かび病は、かぼちゃやキュウリなどのウリ科の他に、アブラナ科、ユリ科、マメ科、イチゴやブドウ、花などにも発生します。
灰色かび病が発生しやすい環境としては、気温は比較的低く、さらに湿気が多い環境です。
季節で考えると盛夏ではなく、春から梅雨にかけて、あるいは秋から冬の初めにかけてで、ちょうどかぼちゃの生長時期とも重なります。
またかぼちゃの株が弱っている場合にも灰色かび病は発生しやすくなるので注意が必要です。
灰色かび病に効く農薬とは
灰色かび病に効く農薬について解説していきます。
参考にしてみてください。
【カリグリーン】
カリグリーンは、規定量の水に溶かしてまくだけで効果を発揮する農薬でおすすめです。
カリグリーンの主たる成分は炭酸水素カリウムで、食べ物や医薬品などにも広く使用されており、動物に対しても安全性がとても高いのが特徴の一つとなっています。
カリグリーンを散布したあとの効果はとても早くでてきます。
カリグリーンの成分であるカリウムイオンが、かび菌の細胞内に入り、かび菌の細胞のイオンのバランスを不安定化させます。
カリグリーンを使ったあとの分解物は、カリウムイオンや炭酸イオンですが、これらは自然にも多く存在しているものです。
家庭菜園の環境にも優しい薬剤で、有機JAS規格にも適合しオーガニック栽培を行うことができます。
自然界に多く存在している成分を使用しており、影響が懸念される魚やミツバチなどにも優しく、安心しての使用が可能です。
カリグリーンは、灰色かび病のほかに、うどん粉病やさび病などにも効果があることが知られています。
炭酸水素カリウムは、灰色かび病の防除作用のあとは、育てているかぼちゃに吸収され、肥料として役立ってくれます。
カリグリーンは、収穫の前の日まで使用することができるので、おすすめの農薬の一つです。
かぼちゃの灰色かび病対策とは
かぼちゃの灰色かび病対策について解説していきます。
かび菌などを原因とする病気の対策の一つは、病変を見つけたら、早めに取り除きビニール袋などに入れ、捨ててしまうことです。
病変をほうっておくと、灰色かび病は周囲の葉や実、近くの株にうつっていく可能性があります。
灰色かび病などの病気は、弱っている部分に発生しやすいことがあるので、病変がなくても、変色した葉や、しおれている葉などがある場合には取り除いておきましょう。
水はけのよい土地を選んでかぼちゃの種をまいたり、苗を定植するようにすることをおすすめします。
水はけが悪い場合には、土壌の改良を行ったり、かぼちゃが生長していく部分を他の箇所より高くして、水が長い間かぼちゃの周りにたまらないようにしましょう。
かぼちゃの株が近く、葉が密集して、風の通りが悪くなると灰色かび病が発生しやすくなります。
かぼちゃを定植する際には、適度に間隔をあけるようにし、風通しを良くするようにしましょう。
水やりを行う際には、かぼちゃの葉に直接水がかからないように心がけ、株元に水を与えるようにしましょう。
雑草が茂っていると、風通しが悪くなるばかりか、灰色かび病のかび菌が移ってくることがあるので、雑草は処理するようにしましょう。
灰色かび病が発生した畑は使わないようにしましょう。
また連作により灰色かび病が発生しやすくなる場合があります。
連作は避け、輪作を心がけましょう。
まとめ
1.かぼちゃの灰色かび病に効く農薬や灰色かび病の対策は!?
かぼちゃの灰色かび病とはどのような病気なのか、灰色かび病に効く農薬、灰色かび病の対策について解説していきます。
2.かぼちゃの灰色かび病とは
かぼちゃの灰色かび病は、かび菌であるボトリチス・シネレアが原因となって発生していく病気です。
かぼちゃの灰色かび病は、花弁や葉、実などに発生し、灰色のかびにより、実が腐ったり、葉の光合成が阻害され、かぼちゃが枯れてしまったりします。
気温が比較的低く、湿気が多い環境で発生し、春から梅雨、秋から冬の初めにかけて発生します。
3.灰色かび病に効く農薬とは
カリグリーンは食品にも使用される炭酸水素カリウムを主たる成分とし、カリウムイオンによりかび菌の細胞のイオンバランスを崩すことで退治します。
環境にもやさしく、有機JAS規格(オーガニック栽培)にも適合しています。
4.かぼちゃの灰色かび病対策とは
かぼちゃの灰色かび病対策としては、病変の除去、水はけの考慮、
かぼちゃが生長していく部分を他の箇所より高くすること、風通しを良くする、連作を避け輪作を行う、などがあげられます。
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