家庭菜園の醍醐味の一つに「採れたての野菜が食べることが出来る」というものがあります。苗や種を植えて、追肥や土寄せなど色々な手入れをした後、「いざ収穫」となった時に「何かに食べられた跡が・・・」という経験無いでしょうか。
とくに根菜は収穫まで姿が見えないので、土から出した時に「あれ?」と思うことがあります。今回はそんな根菜の中で煮ても焼いても蒸してもおいしい「さつまいも」の害虫被害についてお伝えをいたします。
そのなかでも、「ケラ」という害虫についてご紹介をいたします。畑に出たケラの対策方法やよく効く農薬についてもご紹介をいたしますので、最後まで読んでくださいね。
さつまいもがケラに…
さつまいもがケラの被害にあうと、1~3mm程度の針金を差し込んだような穴をあけます。せっかく汗水たらして育てたさつまいもに穴をあけられるなんて許せないですよね。
ケラとはコウロギ上科ケラ科に分類されるコウロギなどの仲間の昆虫です。体長は約3cmで、大型の種類だと5cmに達するものもあります。
全身が褐色で金色の毛が密生しています。土を掘るのが得意で、畑や田、草原などの土中に巣穴を掘って生活をします。乾燥した土が苦手で、水分を含んだ湿地などに多く生息しています。
ケラは雑食で、植物の根や塊茎はもちろんのこと、昆虫の死骸や畑にとって大切なミミズまで食べてしまうんです。色々なものを食べる反面、水分不足や飢餓にはめっぽう弱く、そうなると一晩程度で死んでしまいます。
初夏になるとオスがよく鳴き、地中からの鳴き声にもかかわらず十数メーター離れていても聞こえるくらい大きな鳴き声です。その鳴き声は「ジーーーーーー」という音がし、昔日本では「ミミズの鳴き声」と信じられていました。
5~6月頃に土中で産卵をし、1回50~60個くらいの卵を産みます。ふ化した幼虫は7~8月頃に地中深いところに潜みます。秋ごろになると土壌の浅いところで活発に活動をし、冬になると、また地中深いところに潜み越冬をします。
「手のひらを太陽に」の歌詞に出てくる「オケラだって」はこのケラの事です。歌の中では「友達なんだー♪」とありますが、しっかりと対策をしないとせっかくのさつまいもが悲しいことになってしまいます。この後、畑に出たケラの対策についてご紹介をしていきます。
畑のケラ対策とは
では畑のケラ対策を3つご紹介いたします。しっかりとポイントを押さえ、さつまいもをケラから守りましょう。
【さつまいもをケラから守る対策①】
先ほどお伝えしたようにケラは湿気の多い土壌が大好きで、乾燥が大の苦手です。ですので、さついまいもを栽培している土壌を乾燥気味にして、過湿を防ぎましょう。
さつまいも自体も湿気の多い土が苦手で、乾燥に強い作物です。過湿状態が続くと、つるボケといって葉茎ばかり生長してしまいます。
さつまいもを栽培するときは畝を高くし(30cm程度)水はけをよくしましょう。過湿を防ぐとともに収穫量も増えるので一石二鳥です。
【さつまいもをケラから守る対策②】
未熟堆肥を使用しない
ケラは植物残渣や未分解有機物のすき込みなどで誘引されることがあります。ですので、さつまいもの土壌を作る時、未熟堆肥を使用しないようにしましょう。
【さつまいもをケラから守る対策③】
捕殺する
ケラは春から初夏、秋には土壌の浅いところで活動をします。ケラはトンネルを掘り土中を進みます。そのトンネルを発見したら、その付近を探ってケラを捕殺します。
また、さつまいもを栽培している周りに波板を埋めておき、
ケラの侵入を防ぐのも効果的です。
ケラに効く農薬とは
しっかりと確実にケラの対策をするには農薬を使うのが一番です。ここではおすすめの農薬を2点ご紹介致します。
【ケラに効くおすすめ農薬①】
住友化学園芸 家庭園芸用サンケイダイアジノン粒剤3
商品の特徴・・・接触効果だけでなく、ベーパーアクションにより殺虫成分が土の中に広がって効果的に害虫を退治します。土に混ぜるだけで予防効果が長持ちし、植物の根を害虫の食害からしっかり守ります。
使用方法・・・土壌混和
使用時期・・・植付前
使用限度・・・1回
【ケラに効くおすすめ農薬②】
日本化薬株式会社 ダイアジノン粒剤5
商品の特徴・・・ネキリムシ類、タネバエ、ケラ、コガネムシ類幼虫などの土壌害虫に速効的で幅広く使えます。
60種以上の作物群に適用があり幅広く使えます。
使用方法・・・土壌混和
使用時期・・・植付前
使用限度・・・1回
いずれの商品も薬剤です。商品の使用上の注意をよく読み使用方法を守り、使用しましょう。
せっかく家庭菜園で育てているので、無農薬で栽培したいという思いがある方も多いのではないでしょうか。ですが、害虫の被害にあい、食べられなくなっては意味がありません。
薬剤と薬剤を使わない方法の両方を状況に応じて使い分けて、上手に育てていきましょう。
まとめ
今回はさつまいもを食害に合わせる害虫「ケラ」について皆さんにご紹介をいたしました。畑に出るケラの特徴や駆除対策、おすすめの農薬をご紹介いたしました。今回の内容が皆さんのさつまいも栽培のお役に立てたなら、本当に嬉しいです。
最後にさつまいも栽培のコツについて皆さんにご紹介をさせていただきます。みなさんは家庭菜園をするとき、肥沃な土を用意し、追肥をして栄養を切らさないようにと考えると思います。
ですが、さつまいもはほとんど肥料がいりません。やせた土地でも良く育ちます。肥料を与えすぎるとつるボケしてしまいます。
沢山収穫したいので、肥料を揚げたくなる気持ち、よくわかります。ですが、それが逆効果になることを覚えておいてください。
ケラの対策ポイントをしっかりと押さえて、キレイなさつまいもを育てましょう。
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