はじめに「ハモグリバエ」とはハエの仲間で、春から秋(5月~10月)にかけて発生し、多くの野菜に被害を及ぼす害虫です。
これまでに様々な種類が確認されており、それぞれの種類には野菜の名前が付けられております。
中でも、トマトハモグリバエ、マメハモグリバエ、ナハモグリバエなどが有名です。
ハモグリバエの特徴としては、葉の中で葉肉を食べながら進んでいくので、その痕が白い線を描いたようになります。
そのため「エカキムシ」とも呼ばれています。
ハモグリバエは、トマトやナス、ネギなど葉物野菜の食害がよく報告されています。
食害がひどくなると、株の生育が悪くなり、野菜の収量と品質が低下するため、被害を最小限にするためにも、どのような対策が必要なのか?
また、ハモグリバエの予防と忌避にはアルミホイルが良いのかなどをレクチャーしていきたいと思います。
おいしい野菜作りに役立つ方法を書きましたので、是非読んでみてください。
ハモグリバエ予防の仕方とは
最初に、ハモグリバエの予防の仕方にはどのようなものがあるのか見てきましょう。
【近寄らせない】
ハモグリバエを予防するには、植物に産卵させないために、近寄らせないことが最もシンプルで有効な予防対策といえるでしょう。
【防虫ネット】
防虫ネットなどでハモグリバエの成虫の飛来を防ぐことで幼虫の発生を抑えることができます。
目安は1㎜以下のものをおすすめします。
(ハモグリバエは体が小さめなので、網目が大きい防虫ネットでは簡単に進入できてしまうため注意しましょう。)
【黄色に集まる習性を利用する】
ハモグリバエは黄色に引き寄せられる習性があるようです。
そのため、黄色の粘着テープを貼ったり、黄色のテープの先に殺虫剤を置いておくなども良いでしょう。
【駆除剤の使用】
植え付け時にベストガードなどの駆除剤を散布しておくとよいでしょう。
ただ、益中を駆除するような強い薬剤は避けましょう。
ハモグリバエは、普段は天敵がやっつけてくれるので被害は少ないのですが、夏場に気温が上がり土壌が乾燥すると益中が減り、ハモグリバエの被害を受けやすい状態となります。
そのため、益虫も駆除してしまう害虫駆除剤を使用してしまうと、益虫を減らしてしまうことでハモグリバエの多発の原因となります。
ハモグリバエを忌避する方法とは
次にハモグリバエを忌避するにはどのような方法が良いのか見てみましょう。
【ニームを使用する】
東南アジアに生える植物「ニーム」を使用しての方法です。
害虫は、このニームを食べると食欲が減退して、成長しずらくなるという防虫効果が期待できます。
ニームはニームケーキという粉末状のものを土に混ぜ込んで使うか、
ニームオイルを希釈してスプレーしてください。
できるだけ害虫の発生前に散布していただく予防散布をお薦めします。
ニームには害虫の発生を抑えるだけでなく、飛来忌避効果があります。
また、ニームは益虫などをやっつけないため、安心して使用できます。
【ストチューを散布する】
ストチューとは、「酢」と「焼酎」を混ぜ合わせて作る自然農薬のことです。
材料の名前をあわせた覚えやすい造語で、「ストチュー」または「ストチュウ」と呼ばれています。
身近にあるもので簡単に作れ、化学薬品でないため、自然や人間に優しいのが魅力です。
効果を強くするために、ニンニクやペッパーソースを加えて「ペッパーストチュー」「タバスコストチュー」といわれることもあります。
それでは作り方をご紹介します。
■材料と分量(ペットボトル500ml分)
・酢:150ml(穀物、果実などだけでできた食用もの)
・焼酎:150ml(ホワイトリカーでもOK)
・木酢液:150ml(タールが含まれていないもの。竹酢液でもOK)
(※「ペッパーストチュー」「タバスコストチュー」の作り方は
あらかじめ作っておいたストチューに、ニンニク1片をすりおろした絞り汁とタバスコなどのペッパーソースを数滴加えます。
濃度は、害虫にかけて逃げるかどうかなど試しながら濃度を決めてください。)
すべてをペットボトルに入れて、軽く振り混ぜ合わせれば完成です。
保存方法は、常温で1年以上可能ですが、ふたが開いているとアルコール分が飛んでしまうので、注意してください。
使用する際は、ストチューの原液を水で100〜300倍程度に薄め、霧吹きに入れて散布してください。
散布の際は葉や野菜全面ではなくスポット的に使用しましょう。
使い過ぎると、害虫の天敵までも野菜に近寄らなくなってしまいますので注意しましょう。
また、瓶などに入れ、根本近くに埋めて置いておくと、2,3週間で百匹ほどが瓶の中に引き寄せられていることもあるようです。
その際は、雨水が入らないようにお気をつけください。
ストチューは植物に近づく害虫を遠ざける効果があります。
ただし殺虫効果はないため、害虫被害を完全に防ぐ事はできませんので、害虫が繁殖しないうちにストチューなどで予防することが大切です。
ハモグリバエはアルミホイルで忌避出来る?
最後にハモグリバエはアルミホイルで忌避出来るのでしょうか。
ハモグリバエはキラキラと銀色に光るものを嫌がるため、銀色ポリフィルムやアルミホイルなどを、土の表面に敷き詰めたり短冊状にして吊るしておくなど、葉に光が反射するように置くと効果があります。
まとめ
ハモグリバエなど害虫は、自然に発生してしまうため、被害を0にすることは難しいですが、初期段階に見つけ次第、ピンセットや手袋などで駆除することで被害を減らすことはできるかと思います。
早めの対策で被害を最小限に抑え、大事な作物を守りましょう。
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