大切に育てたじゃがいもが次々と腐ってしまった!しかも色が黒くて、もしかして病気になったのではないか?と心配されている方、いらっしゃいませんか?
畑の土の中には、様々な菌が潜んでおり、成長に必要な良い菌もいれば、悪さをする病気の菌も必ずいるわけです。その時々の環境に左右され、どうしても病気になってしまう可能性があります。
ですが、病気も粘り強く予防や対策をすれば乗り越えられるものです。
じゃがいもの病気について学び、一緒に予防と対策について考えていきましょう。
じゃがいもが腐る&黒い色をしている場合は?
せっかく育てたじゃがいもが腐ってきた!しかも黒い色をしている!そんな場合は、「軟腐病」という病気にかかってしまっているかもしれませんよ。では、軟腐病とはどういった病気なのでしょうか?
軟腐病とは、じゃがいもの葉や茎が溶けたように腐っていく病気です。また、腐敗臭を放ちます。じゃがいもではなく他の野菜や草花でも、起こりうる病気です。
菌は土の中に潜んでおり、虫が葉や茎を食べて出来た傷や、作業中にハサミを使ってできた傷などから、菌が侵入します。また、雨や水やりの際に、土の中の菌が水で跳ね上がることで感染することもあります。
温度と湿度が高い環境で起きやすいのも特徴です。ですので、梅雨の時期の収穫には要注意です。
また、保管していたじゃがいもが黒く変色し腐っていくのは、この軟腐病の菌が、傷ついたじゃがいもの傷口に入っていくからです。一つじゃがいもが感染すると、周りのじゃがいもにどんどん感染が広がっていきます。
軟腐病の進行スピードはとても早いことで知られています。どんどんと広まる前に、早めの処理や対策が必要です。
じゃがいもの病気対策とは?
じゃがいもの軟腐病対策として、有効なのが薬剤です。ですが、発病して後では、薬剤を使っても中々効果が現れず、どんどん進行してしまうのが軟腐病です。発病してしまったら、まずは病気になったじゃがいもは取り除き、感染が広がらないように処分しましょう。
薬剤は、病気の状態がこれ以上広がらないようにすることを目的として、進行前段階や予防に使うことをおすすめしています。また、保管中のじゃがいもが感染するのを防ぐために、収穫前に使ってもいいですよ。
使用する薬剤は、「オリゼメート粒材」「バリダシン液剤5」「スターナ水和材」「ジーファイン水和材」などがあります。
また、「コサイド3000」という銅殺菌剤もおすすめです。銅イオンを利用して、殺菌効果を発揮するものです。制限なく何回も使うことができる事と、少ない量で広く行き渡らせる事ができます。水に溶かして使えるタイプで、準備の手間も省けるすぐれものです。
傷口ができている場合は、予防のために念を入れて散布します。農薬はあまり使用したくないと懸念される方もいらっしゃいますが、使用方法をきちんと守れば心配いりません。
じゃがいもの病気予防の方法は?
軟腐病の予防で一番大切なのは、傷をつけないようにすることです。害虫がじゃがいもを食べて傷をつけないように、シルバーマルチ、シルバーテープ、農薬を使うとよいです。
また、芽かきのときや収穫のときに、じゃがいもを傷をつけないように注意して作業しましょう。また、作業に使ったハサミなどは、感染予防のためによく洗いましょう。
次に、湿度が高くなることを防ぎましょう。水のやり過ぎには注意し、風通しのよい環境を整えます。雑草や枯れた草は取り除き、畝は高く作りましょう。水はけがよくなるように、砂利を入れておくことも効果的です。
また、土の中の菌が、水によって跳ね上がることによる、感染に気をつけることです。雨の日の収穫は控えて、水をあげるときもそっと株元からから水を注ぐようにしましょう。
軟腐病になったら、連作を控えることです。細菌は、土の中にたくさん潜んでいます。土壌消毒をすることや、他の系統の野菜、マメ科の野菜やイネ科の野菜を植えてから、じゃがいもに再挑戦すると良いでしょう。
まとめ
軟腐病は一度かかってしまうと、元にもどすことは中々難しいしぶとい病気でした。農薬でも進行を防ぐことは難しく、どんどん広がっていきます。
予防のために、湿度と土壌の管理を徹底しなければいけません。また、今回ご紹介した薬剤を効果的に使い、病気になりにくい環境を整えましょう。
中でも一番気をつけたいのは、傷をつけないようにすることでしたね。じゃがいもの傷は、軟腐病の肝となる原因でした。ハサミの傷や、自然の虫たちも悪さしてできる傷もあるので注意が必要です。
気をつけるべきことは沢山ありますが、それだけ手間ひまをかけて心を込めて育てれば、やりがいもきっと大きいでしょう。病気に負けない、元気で美味しいじゃがいもを、丁寧に育てていきましょう。
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