焼いておいしい、蒸かしておいしい、煮てもおいしい「さつまいも」ですが、家庭菜園で栽培にチャレンジしている方も多いのではないでしょうか。
自分で作るさつまいもはやっぱり格別ですよね。ですが、家庭菜園で栽培をしていると「あれ?葉っぱに穴が・・・」なんて経験ないでしょうか。
それは「芋虫」の仕業かもしれません。今回はさつまいもに寄生する「芋虫」についてみなさんにお伝えをいたします。
さつまいもに寄生する芋虫の特徴や予防対策、駆除をするときにおすすめいしたい薬のご紹介をいたしますので、最後まで読んでくださいね。
さつまいもにつく芋虫とは
さつまいもにつく芋虫は主に「ハスモンヨトウ」や「ナカジロシタバ」の幼虫です。ここではこの2種類の芋虫についての特徴をご紹介いたします。
まずは「ハスモンヨトウ」です。幼虫の体長は約4㎝迄に成長をし、土中で蛹になります。ハスモンヨトウの幼虫は5回脱皮を繰り返す6齢幼虫です。
はじめは透き通った緑色をしていますが、脱皮をするごとに緑色が濃くなり茶色に変化していきます。6齢幼虫の時には背中に一本、左右に2本橙色の線が現れます。
日中は日陰や地際部に潜んでいることが多く、夜間に活動することが多いです。耐寒性が低く、北の地方ではあまり被害が少ないと言われています。
ハスモンヨトウは集団で卵を産むため、ふ化すると集団で葉を食べますので、最終的には葉脈だけになってしまいます。
次は「ナカジロシタバ」です。幼虫の体長は4~5cmで、関東以西では年に3回、西南暖地では年に4回も発生するとても厄介な害虫です。
例えばさつまいもの産地、鹿児島では1回目が5~6月、2回目が6~7月、3回目が8~9月、4回目が9~10月に発生し、特に3,4回目の発生被害が大きくなります。
若齢幼虫はまだ開いていない葉や開いたばかりの葉へ転々と穴をあけ、老齢幼虫は葉脈だけを残し、食べつくしてしまいます。老齢幼虫の食欲は旺盛で、食害が一気に進むため、生育に大きな影響を与え、収穫、品質の低下が懸念されます。
さつまいもの芋虫対策とは
では、さつまいもに寄生する芋虫の対策をご紹介いたします。ここでは先ほどご紹介をした「ハスモンヨトウ」と「ナカジロシタバ」の対策についてお伝えをいたします。
【ハスモンヨトウ・ナカジロシタバ対策①】
取り除く
ハスモンヨトウの幼虫を見つけたら、捕まえて駆除しましょう。さつまいもの葉を葉裏までよく観察し、幼虫がいないか確認をしてください。
また、卵も同じように発見次第葉ごと取り除くようにしてください。産卵からふ化までの日数が4日ととても短いですので、日頃から注意深く観察してくださいね。
【ハスモンヨトウ・ナガジロシタバ対策②】
防虫ネットでカードする
さつまいもの葉に卵を産み付けられなければ、そこでふ化することはありません。ですので、さつまいもの苗を植えたら、防虫ネットでガードしましょう。成虫の大きさは約2cmですので、網目の大きさは成虫が侵入しないサイズにしましょう。
ですが、防虫ネットだけでは完ぺきではありません。防虫ネットに卵を産み付けられることがあります。そこでふ化した幼虫が網目から侵入してしまうので、ネットに散乱された卵をしっかりと取り除きましょう。
【ハスモンヨトウ・ナガジロシタバ対策③】
薬剤を使用する
被害が大きくなった時には、薬剤を使用するのがいいでしょう。確実に仕留めることが出来ます。この後に、おすすめの薬剤をご紹介いたします。
芋虫の駆除の薬は?
芋虫駆除におすすめの薬を3点ご紹介いたします。
【ハスモンヨトウ・ナガジロシタバにおすすめの薬①】
住友化学園芸 スミチオン乳剤
商品の特徴・・・草花・庭木・野菜や果樹などを加害する広範囲の害虫に効果のある代表的な園芸用殺虫剤です。
使用方法・・・既定の希釈倍率に水で薄めて散布
使用時期・・・収穫7日前まで
使用限度・・・5回以内
【ハスモンヨトウ・ナガジロシタバにおすすめの薬②】
三井化学 トレボン乳剤
商品の特徴・・・水稲、野菜、花、樹木類の幅広い作物の害虫防除に活用できます。
使用方法・・・既定の希釈倍率に水で薄めて散布
使用時期・・・収穫7日前まで
使用限度・・・3回以内
【ハスモンヨトウ・ナガジロシタバにおすすめの薬③】
日本農薬 フェニックス顆粒水和剤
商品の特徴・・・幅広いチョウ目害虫に高い効果があります。幼虫・成虫に対して活性を示し、特に加害ステージである幼虫に高い活性を示します。また、効果持続性に優れるため、害虫に対して散布後長期間、安定した効果を示します。
使用方法・・・既定の希釈倍率に水で薄めて散布
使用時期・・・収穫前日まで
使用限度・・・2回以内
いずれも薬剤です。使用上の注意事項をよく読み、ルールを守って使用するにしましょう。
まとめ
今回はさつまいもに寄生する芋虫について、皆さんにお伝えをいたしました。芋虫の対策や駆除方法、おすすめの薬剤についてご紹介をいたしましたが、この内容が皆さんのお役に立てたなら本当に嬉しいです。
家庭菜園には害虫対策は切っても切り離せないものです。虫が苦手な方もいらっしゃるとは思いますが、対策をしないとせっかくの作物が枯れてしまうこともあります。
特に大きくなると見た目も被害もかなりのものになります。ですので、害虫対策は早ければ早いほどいいのです。その為には、毎日観察し、変化に気が付くことがポイントです。
毎日見てると虫以外にも生長の具合もわかるのでとても楽しいですよ。毎日観察し、甘くておいしいさつまいもを育てましょう。
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