今回は玉ねぎに寄生する害虫「ヨトウムシ」について皆さんにご紹介をいたします。玉ねぎの苗を定植した後、葉が食べられている事ありませんか?それヨトウムシの仕業かもしれません。
ヨトウムシはすごく大食いで地上部に出ている葉がなくなってしまうこともあります。そうなるとせっかく植えた苗を植えなおさなければいけない事もあります。
そんなヨトウムシの被害から守るために、ヨトウムシの特徴、ヨトウムシによく効くおすすめの農薬、ヨトウムシの対策方法をお伝えいたしますので、最後まで読んでくださいね。
玉ねぎのヨトウムシとは
まず、ヨトウムシについてお伝えをいたします。対策をするためにはまず敵を知りましょう。
ヨトウムシの体長は約2~4cmで、はじめは緑色ですが、成長が進むと黒色や褐色になります。ヨトウムシという名前は通称で、本来はヨトウガという「蛾」の幼虫です。
昼は土の中におり、夜になると動き出すので、「ヨトウムシ(夜盗虫)」と言われています。このヨトウムシは対食感で葉や茎、実をもりもり食べてしまいます。
若い時は葉の表面と葉脈を残して食べます、ですので葉が白く透けた状態になります。やがておおきくなると食べる量が増えて、葉全体を食べつくしてしまいます。玉ねぎは害虫による食害は多い方ではないのですが、ヨトウムシには関係ありません。もりもり食べられます。
ヨトウムシの越冬は土の中で行い、4~5月にかけてふ化します。ふ化したヨトウガは1匹あたり1000~3000個の卵を産むため、ふ化すると大量発生します。
卵は葉裏に大量に産み付けられ、ふ化した直後は群生して行動をします。大きくなるにつれて、各々行動をするようになります。
ですので、対策をしっかりしないとヨトウムシの食害を防ぐことが出来ません。この後にお伝えするよく効く農薬や対策方法のポイントをしっかりと押さえて、玉ねぎを守りましょう。
玉ねぎのヨトウムシに効く農薬とは
では、玉ねぎのヨトウムシによく効くおすすめの農薬をご紹介いたします。やはり害虫を根絶するには農薬が一番確実です。ここでは3つおすすめの農薬をご紹介いたします。
【ヨトウムシによく効く農薬①】
住友化学園芸 STゼンターリ顆粒水和剤
○商品の特徴
野菜類・果樹類・いも類・豆類に収穫前日まで使用できます。
天然成分を使用し、環境への影響も少なく、有機JAS規格(オーガニック栽培)で使用可能です。
自然界にいる天然微生物(B.t.菌)が作る有効成分が、アオムシ、ヨトウムシ、ハマキムシなどチョウ目害虫に効果をあらわします。
使用方法・・・決められた希釈倍数に水で薄めて散布
希釈倍数・・・1000~2000倍
使用時期・・・収穫の前日まで
使用回数・・・特になし
【ヨトウムシによく効く農薬②】
住友化学園芸 ベニカS乳剤
○商品の特徴
チョウ目害虫に優れた効果があり、庭木、果樹、野菜などに幅広く使えます。
速効性と持続性があり、害虫を効果的に退治します。
使用方法・・・決められた希釈倍数に水で薄めて散布
希釈倍数・・・300倍
使用時期・・・収穫の7日前まで
使用回数・・・5回以内
【ヨトウムシによく効く農薬③】
住友化学園芸 ベニカベジフル乳剤
〇商品の特徴
野菜、果樹、草花、庭木などの害虫を退治します。
速効性と持続性(ヨトウムシ・若令幼虫で1~2週間、散布葉)があります。
使用方法・・・決められた希釈倍数に水で薄めて散布
希釈倍数・・・450倍
使用時期・・・収穫の7日前まで
使用回数・・・5回以内
ここで紹介したのはいずれも薬剤ですので、商品ラベルに記載されてる注意事項を必ず読み、使用方法を守って使うようにしましょう。
ヨトウムシの対策方法は
では、最後に農薬を使わないヨトウムシの対策をご紹介いたします。予防方法を2つ、駆除方法を1つご紹介いたしますので、農薬に抵抗がある方はこちらの方法をお試しください。
【ヨトウムシの予防方法①】
防虫ネットを使用する
ヨトウガが玉ねぎの葉に卵を産むのを防虫ネットで防ぎます。そうすればヨトウムシが発生することはありません。ですので、玉ねぎを定植したら、防虫ネットを張って、トンネル栽培するのが効果的です。
網目は一般的な1mmで問題ありません。そして、防虫ネットはヨトウガの飛来のほか、他の害虫からも守ってくれますよ。
【ヨトウムシの予防方法②】
木酢液をスプレーする
ヨトウムシは木酢液の臭いが嫌いです。水に薄めた木酢液を玉ねぎに散布します。そうするとヨトウムシが寄ってくるのを避けることが出来ます。
木酢液の臭いはなかなか強烈ですので、もしお隣のお宅と距離が近かったら、使用するときは注意してくださいね。
【ヨトウムシの駆除方法①】
米ぬかでおびき寄せる
ヨトウムシは「米ぬか」が大好きです。その米ぬかを使ってヨトウムシをおびき寄せて捕殺します。まず玉ねぎの近くに米ぬかをまず置きます。そして、朝になると米ぬかにヨトウムシがおびき寄せられています。そこを駆除します。
ヨトウムシの性質を利用して上手に予防・駆除してくださいね。
まとめ
今回は玉ねぎに寄生する害虫「ヨトウムシ」について皆さんにお伝えをいたしました。ヨトウムシがどんな害虫か、予防・駆除するにはどんな農薬がいいのか、また無農薬で対応する方法をそれぞれお伝えをいたしました。
今回の内容がみなさんの玉ねぎ栽培のお役に立てたなら、本当に嬉しいです。
ヨトウムシは夜行性ですので、なかなか日中に駆除することは難しいです。そして、成長をすると分散行動をし、みんな大食いなので、被害が大きくなってしまいます。
まずはヨトウガに卵を産ませないように予防をすること。もし、卵を見つけたら即刻駆除すること。早期発見、早期対策が重要です。
今回の内容のポイントを押さえて、おいしい玉ねぎをたくさん育てましょう。
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