今回はキャベツがかかる病気「根こぶ病」について皆さんにご紹介をいたします。キャベツを育てていて、葉が萎れていたり、そのあとキャベツがなかなか大きく育たなかったことありませんか?
それ「根こぶ病」かもしれません。根こぶ病はそのまま放置するとどんどん広がり、収穫量が減ったり、枯死したりするかもしれません。
そうならないようにするために、根こぶ病の対策方法や根こぶ病になりにくい抵抗性品種の紹介、根こぶ病によく効くおすすめの農薬をご紹介いたしますので、最後まで読んでくださいね。
キャベツの根こぶ病対策とは
まず、キャベツの根こぶ病対策についてご紹介をいたします。ここでは薬を使わない対策方法をお伝えいたしますので、薬に抵抗のある方はこちらの方法をお試しください。
【キャベツの根こぶ病対策①】
アブラナ科の作物を連作しない
根こぶ病はアブラナ科の野菜に発生する病気です。ですので、アブラナ科の野菜を連作することで、根こぶ病の原因となる菌が増殖してしまいます。
ですので、アブラナ科の連作を避けるようにしましょう。イネ科などの作物を輪作するのがおすすめです。
【キャベツの根こぶ病対策②】
土壌の消毒・入れ替えをする
根こぶ病菌が残っていそうな土壌は消毒するか入れ替えるようにしてください。消毒は太陽熱消毒がおすすめです。
その場合、梅雨明けから8月下旬の気温が高い時に実施しましょう。
方法は土壌を十分に湿らせ、隙間が出来ないように透明マルチで覆います。消毒機関が長ければ長いほど効果が高まりますので、20~30日程度の期間をとります。
【キャベツの根こぶ病対策③】
土壌の酸度を調整する
根こぶ病はpH6.0以下の酸性で活発になります。ですので、石灰肥料などを用いて土壌を中性近くに矯正します。
pHが7.2以上で発生が抑制されますので、肥料を施す前に、土壌のpHを確かめるようにしましょう。
キャベツの根こぶ病の抵抗性品種って?
では次にキャベツの根こぶ病に強い抵抗性品種をご紹介いたします。抵抗性の強い品種を植えることは根こぶ病の防除に非常に有効です。
【キャベツの根こぶ病の抵抗性品種①】
YCRふゆいろ
「YCRふゆいろ」は市販されているキャベツの中で最も高い抵抗性のある品種で、球は平玉、肥大性は良好です。
YCRふゆいろは夏まき冬どり作型に適していて、家庭用消費、加工・業務用ともに利用できます。
過去に根こぶ病が発生している土壌で栽培しても、根こぶ病の発病がほとんど見られない強い抵抗性を有していますが、多様な根こぶ病菌の中にはこのYCRふゆいろにも加害する菌が存在していますので、上記にご紹介した対策も同時に行うようにしましょう。
【キャベツの根こぶ病の抵抗性品種②】
YCRこんごう
「YCRこんごう」は定植後80~85日で収穫できる中性種で、重量は1.5~2kgまで育ちます。球形は厚玉で色は青緑色です。
品質などに問題なく収穫し続けることが出来るため、加工・業務用にも向いています。とても栽培がしやすい品種です。
その他に、「YCRげっこう」や「フルーツキャベツ」、「YCR多恵」などの抵抗性品種があります。色々と特徴を調べてみて、環境にあった品種を選んでみてくださいね。
キャベツの根こぶ病に効く農薬は
最後にキャベツの根こぶ病に効く農薬をご紹介いたします。根こぶ病はキャベツのかかる病気で最も厄介な病気の一つです。農薬を使うことでしっかりと根こぶ病の対策をすることが出来ますので、根こぶ病で困っている人は是非検討してください。
【キャベツの根こぶ病に効く農薬①】
住友化学園芸 石原フロンサイド粒剤
〇商品の特徴
土に混ぜたり、株元に散布するだけで、土の殺菌・消毒ができる土壌殺菌剤です。
あぶらな科野菜の根にコブができる根こぶ病をはじめ、キャベツの苗立枯病や菌核病、ねぎの白絹病、ばれいしょのそうか病など広範囲の病害にすぐれた予防効果があります。
効果が持続し、長期間にわたって根こぶ病の被害を抑えます。
使用方法・・・作条土壌混和
使用量・・・・15~20kg/10a
使用時期・・・は種または定植の前
使用回数・・・2回以内
【キャベツの根こぶ病に効く農薬②】
エムシー緑化 ネビジン粉剤
〇商品の特徴
幅広いアブラナ科作物の根こぶ病に安定した効果を示します。
残効性に優れ長期間効果が持続します。
毎年の連用により、効果がより一層安定します。
【キャベツの根こぶ病に効く農薬③】
日産化学株式会社 オラクル粉剤
〇商品の特徴
「根こぶ病」の休眠胞子を眠らせたままにせず、放出された遊走子を直接「殺菌」。
感染の元となる遊走子を直接たたく。「静菌」ではなく「殺菌」作用で、病害をしっかり予防。
使用方法・・・全面土壌混和
使用量・・・・20kg/10a
使用時期・・・は種前
使用回数・・・2回以内
ここで紹介したのはいずれも農薬です。使用上の注意事項をしっかりと確認し、使うようにしましょう。
まとめ
今回はキャベツに発生する病気「根こぶ病」についてご説明をいたしました。根こぶ病の対策方法や、根こぶ病にかかりにくい抵抗性品種の紹介、根こぶ病におすすめの農薬をお伝えいたしました。
今回の内容が皆さんのキャベツ栽培のお役に立てることが出来たら本当にうれしいです。
では最後に今回説明した内容を振り返りましょう。
①キャベツの根こぶ病の対策は
・アブラナ科の作物を連作しない
・土壌の消毒・入れ替えをする
・土壌の酸度を調整する
②根こぶ病の抵抗性品種は
・YCRふゆいろ
・YCRこんごう
③根こぶ病におすすめの農薬は
・石原フロンサイド粒剤
・ネビジン粉剤
・オラクル粉剤
でした。
今回のポイントをしっかりと押さえて、おいしいキャベツをたくさん育てましょう。
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