今回はキャベツに寄生する害虫「ネキリムシ」について皆さんにご紹介をいたします。キャベツの苗を定植した時、数日後に枯れてしまったことありませんか?
それ「ネキリムシ」の仕業かもしれません。ネリキリムシは漢字で書くと「根切り虫」と書きますが、根ではなく地際の茎を食害して、枯らしてしまいます。
今回は定植したキャベツの苗をしっかりと育てるために、ネキリムシによく効く農薬やネキリムシの防除方法をお伝えいたしますので、最後まで読んでくださいね。
キャベツのネキリムシは
はじめにキャベツにつく害虫「ネキリムシ」について説明をいたします。ネキリムシとはカブラヤガ、タマナヤガなどの茎を食害するヤガ(夜蛾)の幼虫の総称です。漢字で書くと「根切り虫」と書きます。それは食害にあった苗が根を切られたように見えることからです。
ネキリムシの体長は約40~45mmで、色は暗灰色、暗灰褐色や暗緑色です。夜行性で日中は土に潜って生活しています。
東日本ではタマナヤガ、西日本ではカブラヤガの発生が多くなっています。暖かい地域では幼虫や蛹で枯れ葉の下や土の中で越冬し、春先に羽化します。
タマナヤガもカブラヤガも耐寒性が弱く、寒い地方では越冬することが出来ません。ですので北日本で発生した場合は長距離飛んできた成虫が発生源となります。
暖かい地方では、春の早い時期から活動し、年に3~4回発生します。卵は雑草の地際部や葉に1~2個産み付けます。ふ化した幼虫は葉や雑草を食べて大きくなりますが、単独で行動しているため、被害もあまり目立ちません。
成長し、中齢~成熟幼虫になると体色が濃くなり、土の色と見分けがつきにくくなります。土に潜るのは終齢幼虫期で、夜間に地際部の茎を食害します。
朝起きて、植えたはずの苗がパタッと倒れていたら、「ネキリムシ」の被害を疑いましょう。この後、対策方法をご紹介していきます。
キャベツのネキリムシに効く農薬は
ここではキャベツのネキリムシによく効くおすすめの農薬をご紹介いたします。家庭菜園では出来れば無農薬でと考える方も多いと思いますが、しっかりと対策するには農薬を使用するのがおすすめです。ここでは3点ご紹介いたします。
【ネキリムシにおすすめの農薬①】
住友化学園芸 家庭園芸用GFオルトラン粒剤
〇商品の特徴
吸汁性害虫(アブラムシ等)及び食害性害虫(ヨトウムシ、アオムシ等)に効果のある浸透移行性殺虫剤です。
効果が持続しますので、広範囲の園芸害虫の防除に適しています。
散粒容器入りですので手を汚すことなく手軽に使用できます。【200g】
使用方法・・・植穴処理
使用量・・・・3~6g/㎡
使用時期・・・定植時
使用回数・・・1回
【ネキリムシにおすすめの農薬②】
住友化学園芸 ベニカAスプレー
〇商品の特徴
植物を食べる虫や群がる虫をすばやく退治!
秋冬野菜、春夏野菜、果樹、花、観葉植物、庭木などいろいろな作物に一年中使えます!
ピンポイントで集中噴霧、ワイドな霧でムラなく散布できる切り替えノズル採用
使用方法・・・株元灌注
希釈倍率・・・原液
使用時期・・・収穫21日前まで
使用回数・・・2回
【ネキリムシにおすすめの農薬③】
住友化学園芸 家庭園芸用サンケイダイアジノン粒剤3
〇商品の特徴
本剤は土の中に潜むコガネムシ幼虫やネキリムシだけでなく、きゅうりやかぼちゃのウリハムシ幼虫も退治する土壌害虫の殺虫剤です。
接触効果だけでなく、ベーパーアクションにより殺虫成分が土の中に広がって効果的に害虫を退治します。
使用方法・・・土壌混和
使用量・・・・6~9g/㎡
使用時期・・・収穫30日前まで
使用回数・・・2回以内
その他にサンケイデナポン5%ベイト、ネキリベイトという薬もおすすめです。
ここでご紹介したのはいずれも薬品ですので、使用上の注意点をよく読み、ルールを守って使うようにしてください。
ネキリムシの防除(予防)方法は
最後にネキリムシの防除(予防)方法について皆さんにご紹介をいたします。そもそも発生をさせなければ被害に合うことはありませんよね。その為に防除方法を覚えましょう。
【ネキリムシの防除方法①】
ペットボトルでカバーする
キャベツの苗をペットボトルを輪切りしたものでカバーしましょう。そうすることで物理的にネキリムシが近づくのを防ぐことが出来ます。
また、アルミホイルを茎に巻き付けるのも、ネキリムシからの食害を防ぐのに効果的です。
【ネキリムシの防除方法②】
防虫ネットでトンネル栽培
キャベツの苗を定植したら、防虫ネットをかけてトンネル栽培をしましょう。そうすることで、成虫から産卵されることを防ぐことが出来ます。
【ネキリムシの防除方法③】
米ぬかを食べさせる
キャベツの周りに米ぬかをまきましょう。そうするとネキリムシは米ぬかを食べます。米ぬかを食べたネキリムシがどうなるか知っていますか?なんと死んでしまうんです。
他の虫が寄ってきてしまうというリスクは多少あるものの、米ぬかは肥料にもなりますので、試してみる価値はあると思います。
【ネキリムシの防除方法④】
コーヒーの出がらしを土に混ぜる
レギュラーコーヒーの出がらしをしっかりと乾燥させて土に混ぜましょう。コーヒーの出がらしはネキリムシが嫌うと言われています。コーヒーの出がらしを土に混ぜるとき、完全に乾燥させてください。そうしないとカビの原因となってしまいます。
まとめ
今回はキャベツに寄生する害虫「ネキリムシ」について皆さんにご紹介をいたしました。ネキリムシの特徴について、ネキリムシによく効く農薬について、ネキリムシの予防(防除)方法を中心にご説明をいたしました。
今回の内容が皆さんのキャベツ栽培のお役に立てたなら本当に嬉しいです。
最後に今回のポイントをまとめていきましょう。
①キャベツのネキリムシは
・カブラヤガ、タマナヤガの幼虫
・ネキリムシの体長は約40~45mmで、色は暗灰色、暗灰褐色や暗緑色
・夜行性で、日中は土の中にいる
②キャベツのネキリムシに効く農薬は
・家庭園芸用GFオルトラン粒剤
・ベニカAスプレー
・家庭園芸用サンケイダイアジノン粒剤3
③ネキリムシの防除(予防)方法は
・ペットボトルでカバーする
・防虫ネットでトンネル栽培
・米ぬかを食べさせる
・コーヒーの出がらしを土に混ぜる
今回のポイントを押さえて、おいしく大きいキャベツを沢山育てましょう。
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