家庭菜園の醍醐味の一つに「生長の過程を楽しむ」というものがあります。皆さんも自分や家族の口に入るものであれば、生長の過程がわかって、安心・安全なものが良いですよね。
それぞれの野菜には生長の過程でちょっとしたコツやポイントを押さえることで、収穫量が増えたり、大きく育ったり、甘みが増したりします。
今回は数ある家庭菜園の人気者の中から「じゃがいも」にスポットを当てて皆さんに生育のコツやポイントをご紹介したいと思います。
中でも、ご紹介したいのは「芽かき」という作業です。この「芽かき」の意味って?「芽かき」どうやってやるの?方法は?「芽かき」しないとどうなるの?ということについてお伝えをいたしますので、最後まで読んでくださいね。
じゃがいもの芽かきの意味とは
じゃがいもの「芽かき」の意味とは、じゃがいもから複数発芽した芽の中から、生育の良い芽を2~3本残し、のなかからそれ以外を抜き取ってしまう作業の事です。
なぜ、じゃがいもの芽かきをするかというと、じゃがいもを大きく育てるためです。じゃがいもは種芋を植えた後、地上には芽が複数出てきます。そして、地中には「ストロン」と呼ばれるわき芽が出てきます。
じゃがいもはこのストロンの先端に作られて、地上の芽の数に比例して増えていきます。ということは、地上の芽か多いほど、じゃがいものできる数が増えるということです。
「数が増えるんだったらいいじゃん。」と思ってしまうところですが、数は増えるのですが、その分養分が分散されて、大きく育ちません。小さなじゃがいもしか取れなくなります。
後で詳しく説明いたしますが、あまり小さなじゃがいもは食べられないんです。せっかく丹精込めて作ったのに食べられないなんて悲しすぎますよね。
皆さんのじゃがいも栽培のイメージはどのようなものでしたか?どんな野菜でもそうですが、大事に大事に育てたら、その分返ってくるのが、「家庭菜園」です。
そこが本当にやりがいを感じるところですよね。じゃがいもを土から堀を越した時にじゃがいもを見た時や、食べた時に、あの暑い中、時には風の強い中、そして雨の中の頑張りが報われますよね。
この次にどのように芽かきをするかご紹介をしていきたいと思います。
じゃがいもの芽かきの方法は
では、じゃがいも栽培にとっても大切な作業「芽かき」の具体的な方法についてご紹介をいたします。
まずは芽かきのタイミングです。芽かきはじゃがいもから発芽した芽が10~15㎝になった時に行います。あまり短い時にすると、芽かき自体がやりにくいです。遅くても芽が20㎝になるまでにはしてくださいね。
次は残す芽を選びます。残す芽は葉がしっかりと開いていて、茎が太いものにしましょう。
次に芽かきの作業です。
①取り除く芽の根元を片手で持ち、もう片方の手で株元を押さえます。しっかりと押さえないと種芋が土から出てきてしまうことがあります。
②取り除く芽をゆっくり横に引っ張ります。うまく抜けていたら、音や感触が種芋からブチブチ離れていくのがわかりますよ。
③芽かきをした後は残った芽がまっすぐになるように土寄せをします。土寄せは株元に5cmくらい土を盛ります。そのあと追肥をしてください。土寄せをしないとせっかくできたじゃがいもに日光が当たり緑化してしまいます。
芽かきは手でやりましょう。ハサミで切っても全部取りきることが出来ません。地中に芽が残っています。その残った芽から新しい芽が生えたり、切り口から細菌が入って病気になったりします。
そんな難しい作業ではないですよね。しっかり芽かきをして、大きなじゃがいもを育てる準備を行いましょう。
じゃがいもの芽かきをしないとどうなるか
では、じゃがいもの「芽かき」をしないとどうなるのでしょう。大きなじゃがいもが収穫できなくなります。小さなじゃがいもしか収穫できません。
以前、小さなじゃがいもがたくさん取れたことある私は、「別に家で食べるものだし、皮をむいて、丸ごと食べられるしいいかな。」と思っていました。でもそれは危険なのです。
ですが、この小さなじゃがいもですが、「ソラニン」という有毒物が多く含まれていて、吐き気や下痢、腹痛などを引き起こしてしまうのです。
ですので、しっかりと芽かきをして、食べられるサイズに育てるというのがじゃがいも栽培にはとても大切な作業である事がわかって頂けたのでは無いでしょうか。
もし、芽かきを忘れてしまった時は、芽の長さが30㎝を越していたら、芽かきをするのはやめましょう。すでに、地中ではストロンの先端にじゃがいもが出来始めています。
芽かきをしないので、小さなじゃがいもになるのは避けられませんが、追肥を多めにしてして、しっかりと土寄せをすることで、食べられるサイズにまで育てることは可能です。
芽かきを忘れたからといって、すべてがダメになるというわけではありませんので、安心してください。もう一手間加えて、愛情込めて育てたじゃがいもをおいしく食べましょう。
まとめ
今回はじゃがいもの栽培にはとっても大切な「芽かき」について皆さんにご紹介をいたしました。「芽かき」の意味や実際に芽かきをするときの方法、最後に「芽かき」をしないとどうなるかをお伝えいたしました。
皆さんのじゃがいも栽培に今回の内容がお役に立てたなら、本当に嬉しいです。
先ほども少し書きましたが、はじめてじゃがいもを育てた時、芽かきをすることを知らずに、小さなじゃがいもが沢山取れました。翌年は土寄せがしっかりでできておらず、緑色のじゃがいもが沢山取れました。
毎年、大なり小なりトライ&エラーを繰り返し、野菜の栽培をしています。この「トライ&エラー」も家庭菜園の醍醐味の一つです。皆さんももし失敗したことがあっても、そこで落ち込まず次の栽培につなげてくださいね。
皆さんのじゃがいもが大きくおいしいじゃがいもでありますように。
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