今回はキャベツの病気「ベト病」について皆さんにご紹介をいたします。キャベツの苗を定植しようとした時、葉裏に灰色がかったのカビがついていたことありませんか?
それ「ベト病」かもしれません。ベト病にかかってしまったキャベツの苗をそのまま放置してしまうとやがて枯れてしまうこともあります。これから育てようと植えた苗が枯れてしまったら残念すぎますよね。
皆さんにそんな残念な思いをさせないように、ここでキャベツがかかるベト病についての説明、よく効くおすすめの農薬の紹介をし、最後にはベト病にかかったキャベツが食べられるのかということについてご紹介いたしますので、最後まで読んでくださいね。
ベト病のキャベツとは
では、ベト病についてご説明をいたします。キャベツのベト病がどんなものかをここでしっかりと確認していきましょう。
ベト病は糸状菌といわれるカビが原因で発症します。キャベツはこのベト病に育苗中の時から結球した後までかかります。特に育苗中にかかってしまったら、病気の進行が早いので注意が必要です。
ベト病は外葉や下葉など、土壌の近いところから発病し、結球葉にも感染することがあります。発病すると淡黄褐色や黒褐色の不定形な病斑が発生します。病斑は次第に拡大していき、汚白色で霜状のカビが生えます。
ベト病は温度が10~15度くらいの比較的低温の時で、降雨が続き多湿の状況で、発生しやすくなります。また一つの目安ですが、9時間以上葉面が濡れているような条件が続くと特にかかりやすくなります。
ですので、植える土は排水の良い土を使うことをおすすめいたします。水のやりすぎも良くありません。また風通しを良くするために、株間をしっかりとって定植するようにしましょう。
先ほどもお伝えいたしましたが、特に育苗中にかかってしまうと進行が速いので注意が必要です。育苗中のベト病を予防するために、上記のことに注意するほか、しっかりと観察し、病気にかかってしまったまたはあやしい苗を除去するようにしましょう。
キャベツ苗がべと病に…農薬は何が効く?
では、次にキャベツの苗からベト病を守るおすすめの農薬をご紹介いたします。しっかりと病気と闘うためには農薬を使うのをおすすめします。ここではおすすめの農薬を3点ご紹介いたします。
【キャベツ苗をベト病から守る農薬①】
住友化学園芸 GFワイドヒッター顆粒水和剤
〇商品の特徴
べと病や疫病に対して優れた予防・治療効果があるベンチアバリカルブイソプロピルと、幅広い病気に予防効果があるTPNを配合した殺菌剤です。
作用性の異なる2種類の殺菌成分で、効果的に病気を防除します。
植物体に成分が染み込む「浸達性」があるので、降雨などで有効成分が流されにくく、効果が持続します。
使用方法・・・水に薄めて散布
希釈倍率・・・1,000倍
使用時期・・・収穫の14日前まで
使用回数・・・2回以内
【キャベツ苗をベト病から守る農薬②】
住友化学園芸 サンボルドー
〇商品の特徴
天然成分の塩基性塩化銅を主成分とし、各種病原菌に対して予防効果を発揮する代表的な保護殺菌剤です。
斑点細菌病など細菌によって起こる病気はもちろんのこと、かび(糸状菌)によって起こるべと病、もち病などの病気に予防効果を発揮します。
効果の持続期間が長く、粒子も非常に細かく噴霧器等の詰まりが少ないです。
有機JAS規格(オーガニック栽培)で使用可能です。
使用方法・・・水に薄めて散布
希釈倍率・・・300~600倍
使用時期・・・特になし
使用回数・・・特になし
【キャベツ苗をベト病から守る農薬③】
住友化学園芸 STダコニール1000
〇商品の特徴
草花、野菜、果樹など様々な植物で、かび類(糸状菌)によって起こり、特にもち病や炭そ病、斑点病など葉が変色するタイプの広範囲の病気に効果がある優れた園芸用の総合殺菌剤です。
耐光性、耐雨性に優れ、病気から植物を守る残効性があります。また各種病原菌に対しても抵抗性がつきにくい、優れた効果の保護殺菌剤です。
計量が手軽に行えるフロアブルタイプで、散布後の葉の汚れも少ないです。
使用方法・・・水に薄めて散布
希釈倍率・・・1,000倍
使用時期・・・収穫の14日前まで
使用回数・・・2回以内
ここでご紹介したのはいずれも薬品です。使用上のルールを守り、使うようにしましょう。
キャベツがべと病に…食べれるの?
では最後にキャベツがベト病になったら食べれるのかということについてお伝えをいたします。ベト病になったキャベツは「食べられます。」
ベト病の菌は人体に影響はありません。ですので、食べることは出来ます。しかし、病気にかかって、カビが生えている部分や病斑が出ている部分は取り除いて食べるようにしましょう。
そして、病気になっている部分を畑で取り除いた時は、その部分を畑に放置は絶対にしないでください。そのべと病にかかった部分から、原因である糸状菌が風に舞って他のキャベツにつき、病気が広がってしまいます。
また、食べられるからといって、そのままキャベツの生育を続けてはいけません。先ほどもお伝えしたようにカビが畑の中で一気に広がり病気が拡大してしまいます。また、原因の糸状菌は土の中で何年も生き続けます。
そうなると翌年以降の家庭菜園がスムーズに進まなくなってしまいます。病気は早期発見、早期対策がポイントです。
毎日注意深く見るようにしましょう。
せっかく育てるのであれば、病気の無い新鮮なキャベツを食べたいですよね。キャベツは生で食べることも多い野菜です。その為には先ほどお伝えしたおすすめの農薬や予防方法をうまく活用して育てるようにしましょう。
まとめ
今回はキャベツがかかる病気「ベト病」についてご説明をしたしました。特にベト病についての説明、キャベツ苗によく効くおすすめの農薬、べと病にかかってしまったキャベツは食べられるのかということについて説明をいたしました。
今回の内容が皆さんのキャベツ栽培のお役に立てたなら、本当にうれしいです。
では最後に今回のポイントのおさらいをしましょう。
①べと病のキャベツとは
・糸状菌が原因で発生する病気
・苗の時から結球の時までかかる病気
・苗の時になると病気の進行が速い
②よく効く農薬
・GFワイドヒッター顆粒水和剤
・サンボルドー
・STダコニール1000
③ベト病になったキャベツは食べれる?
・食べられます。
・病気の部分は取り除きましょう。
・取り除いたものはその場に放置するのはやめましょう。
今回のポイントを押さえて、新鮮でおいしいキャベツを育てましょう。
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