ここではミニトマトの栽培の下準備から、栽培が終了して次の作物を植える準備までの工程を
紹介しています。
どんな作業が発生するのか、何をすればいいのかも紹介しています。
全部を読むと長いので目次から必要な箇所だけ見る事もできます。
鉢植えやプランターで育てる場合と畑で育てる場合、両方紹介しています。
それでは一緒に見ていきましょう。
- ◎ミニトマトとはどんな野菜?
- ◎家庭菜園で初心者におすすめのミニトマトの品種紹介
- ◎ミニトマトの育て方のコツ・栽培を成功させるポイントを抑えよう!
- ◎ミニトマトの土作り
- ◎ミニトマトの種まき(播種<はしゅ>)
- ◎ミニトマト苗の間引
- ◎ミニトマトの良い苗の選び方
- ◎ミニトマトの植え付け(定植)
- ◎ミニトマトの日頃のお手入れ
- ◎ミニトマトの水やり
- ◎ミニトマトの支柱の立て方
- ◎ミニトマトの誘引
- ◎ミニトマトのわき芽とり、芽かき(整枝)
- ◎ミニトマトの仕立て方、1本仕立てと2本仕立て
- ◎ミニトマトの摘心(摘芯)《鉢植え・プランター》
- ◎ミニトマトの肥料・追肥のやり方、考え方
- ◎ミニトマトの発生しやすい病害虫・生理障害
- ◎ミニトマトの雨よけ屋根
- ◎ミニトマトの人工受粉
- ◎ミニトマトの増し土と中耕
- ◎ミニトマトの鳥害対策
- ◎ミニトマトの収穫
- ◎ミニトマト収穫後の抜き取りについて
- まとめ
◎ミニトマトとはどんな野菜?
ミニトマトは果実の重量が5g~30g程度の小さなトマトの事です。
色や形も通常のトマトに比べてバリエーション豊かで、
赤いものから黄色、緑、黒、白い品種もあります。
カタチも丸いものからプラム型(細長いタイプ)やカットするとハート型に見えるものなど様々です。
栄養素も実は通常のトマトよりミニトマトの方が栄養価が高い傾向にあります。
カロテン(体内でビタミンAに変換される)やリコピン、ビタミンC(共に抗酸化作用があり、活性酸素を無効化する)などを含み、
「トマトが赤くなると医者が青くなる」
という言葉が存在する程です。
また糖度もサイズが小さくなるほど高くなるという相関関係があり、
ミニトマトの方がトマトより甘いです。
ミニトマトの花言葉って?
「完成美」「感謝」です。
7月26日の誕生花です。
ナス科トマト属のミニトマトは南アメリカ大陸、アンデス高原地方が原産の植物です。
アンデス地方は乾燥している気候なため、
ミニトマトは強い光が好きで多湿を嫌います。
生育適温は20~30℃です。
昼夜の温度差が大きいと栽培に有利です。
(昼間が25℃、夜間が16~17℃くらい)
日本の盛夏どき(7月~9月)は外気温が30℃を超す事もありますので、
そこまで行くと着果が劣ります。
日よけをするなど対策が必要です。
プランター栽培なら日陰に移動させるのも手です。
◎家庭菜園で初心者におすすめのミニトマトの品種紹介
ミニトマトの品種は沢山ありますが、
人気があって育てやすい品種を紹介させていただきます。
アイコ、とってもアイコ(R)
・アイコ(サカタのタネ公式サイトから引用)
果肉が厚くてゼリーが少ない長卵型のミニトマトです。
病気に強くて、果実の割れも少なく、
実つきがよいので、たくさんとれます。房どりも可能です。
萎凋病(F:R-1、2)、ToMV(Tm-2a型)、
葉かび病、斑点病に対して抵抗性があります。
・とってもアイコ
アイコよりたくさん実り、
酸味が少なく甘みが強いです。
アイコに比べ、果実は一回り小さいです。
シュガープラム
とにかく高糖度(10~12度)のミニトマトでフルーツトマトとも呼ばれます。
鉢植えでも地植えでも育てやすい品種です。
皮はあまり主張をしない薄皮タイプで、
抵抗なく食べられます。
レジナ
矮小ミニトマトと呼ばれ、
背丈が20cmくらいにしかならないコンパクトなミニトマト。
他のミニトマトに比べてお手入れが少ないミニトマトです。
ネネ
甘くて美味しいミニトマトがどっさりと取れて受粉作業も必要ありません。
とにかく収穫量が期待できるミニトマトです。
デメリットとしては皮が割れやすい性質があります。
◎ミニトマトの育て方のコツ・栽培を成功させるポイントを抑えよう!
ミニトマトに適した環境、栽培の特徴
ミニトマトの原産地は中南米のアンデス地方です。
日光の光が強く、
昼夜の寒暖差が大きく、
乾燥している気候です。
それこそがミニトマトの好む気候となります。
必ず日当たりのいいところで育てましょう。
日当たりが悪い場所で栽培すると花数が少なくなり、
落花も多くなってしまいます。
また、風通しの良さも必要です。
土の水はけを良くしましょう。
地植えの場合は、高うねにするといいです。
また、梅雨時に入る前に雨除けをするといいです。
またミニトマトの連作障害が出るのを防ぐために、
地植えの場合、同じ場所に植えるのは3年は間隔を空けた方がいいです。
連作障害が出ると病気にかかりやすくなったり収穫量が落ちるといった害があります。
ミニトマトはナス科なので、ナス科の野菜を連続して植えるのは避け、次の年は葉もの野菜や根もの野菜を植えるようにすると連作障害は避けられます。
また、「接ぎ木苗」を植える事でも、連作障害は避ける事が出来ます。
原産地の気候に沿うために日本では、
秋から始めて冬や春に収穫するのが主流となっています。
家庭菜園でさかんな春蒔きで夏収穫の栽培方法は、
強い日光が必要なためにその時期が推奨されている訳です。
しかし同時に日本には梅雨があるのでミニトマトにとっては苦手な気候となり、
栽培難易度的には高くなります。
ミニトマトの栽培時期《栽培カレンダー》
ミニトマトの種まきは室内でなら、2月~可能で、
4~5月GWまでが最適な時期です。
植付時期は5月GW~6月です。
7月~は収穫時期です。
※ミニトマトは種まきから3か月で収穫可能。
※環境によって前後します。
鉢やプランターの深さが足りないと失敗する?
ミニトマトを育てる際には、根っこがしっかり育つことが出来ないと、
生育に悪影響が出ると考えられています。
鉢やプランターの推奨される深さは
30cmあれば良いと考えられています。
ただ草丈がそんなに大きくならないレジナのような品種では当てはまらないこともあるので、
一般知識として覚えておきましょう。
◎ミニトマトの土作り
ミニトマトの生育にはそれに見合った土を用意することが大事です。
もしも家の周りの土を使いたい場合は、あまり水けを含まない土であることが好ましいです。
水けを多く含む土の例では、
水田の跡地の土や、地下水が湧き出る近くの土ですとか、大きな河川の近くの土はあまり好ましくないです。
・鉢植え、プランター栽培
一番簡単なのは、培養土をそのまま使う事です。
トマト専用の培養土もありますので、
それを使うのも勿論ありです!
★デルモンテ キッチンガーデン培養土 トマト用 15L
・地植え
地植えの場合は定植をする2週間前から準備を始めます。
まずは土をミニトマトの好む弱アルカリ性の土にPH(ペーハー)を調整します。
日本は火山が多い事もあって酸性寄りの土であることが多いので、
その調整のために苦土石灰を1㎡あたり150g撒いて土をよく耕しておきます。
(この作業を先にするのは後に行う肥料と化学反応を起こすのを防ぐためです。)
そして定植1週間前には土1㎡あたり、
堆肥3~4kg、
化成肥料150g、
リン酸質肥料30gを撒いて
土をよく耕しておきます。
そうしたら次に、
ミニトマトに水はけのよい環境を提供するために高畝にします。
畝の高さは10cmくらい盛りましょう。
《1条植えの場合》
畝幅100cm程度
畝高10cm程度
株間40~50cm
支柱の高さ180cm
《2条植えの場合》
畝幅120cm程度
畝高10cm程度
株間40~50cm
支柱の高さ180cm
条間60~70cm
畝と畝の間の通路は60cmほど
間隔を取ります。
畝を作ったら
マルチというシートを張ります。
これはマルチングといって
雑草の発生防止、
水分の蒸発や
病害虫の発生を防ぐ効果があります。
黒いビニールは盛夏どきに
温度が上がり過ぎるため、
シルバーマルチがおススメです。
★イワタニ 菜園防虫シルバーマルチ 0.02mm×95cm×50m
シルバーマルチは太陽の光を反射するので実の色付きが良くなる利点があります。
またアブラムシが寄り付きにくくなるのでアブラムシが媒介する不治の病、
「モザイク病」の感染を未然に防ぐことにもなります。
マルチングはビニールに限らず、
ワラやインテリアバーグ、
シサル麻やココナッツファイバーなどでマルチングする場合もあります。
マルチングをしたら支柱を立てます。
苗から10cmくらい離したところが
いいでしょう。
合掌タイプにすると
支柱が倒れにくいです。
ミニトマトの苗を
定植する時には
マルチに穴を空けます。
マルチに穴を空けるための
専用の道具もあります。
★石黒金属 ステンレス マルチ穴あけカッター 60mm HC-60
★マルチバーナープロ MB-P
缶の底をバーナーで炙って
マルチに押し当てると
簡単に熱で焼き切れる、
という情報もありました。
〈POINT〉 元肥の施用量は厳守しましょう!ミニトマトは多過ぎる肥料が苦手です。
肥料が多すぎるとツルぼけと言う状態に陥ります。
葉っぱや草丈だけが生長して
肝心な花や実をつけない状態になってしまいます。
ですから元肥は多過ぎないように気をつけましょう。
◎ミニトマトの種まき(播種<はしゅ>)
ミニトマトの種まきはセルトレイかポットに蒔いて発芽させます。
タネまきと育苗管理〈POINT〉 発芽適温20~30℃を確保!
黒い9cmのビニールポットに培養土を入れます。
指の第一関節くらいまで指を土に入れて穴を空けて、
そこに種を蒔いて土をかぶせます。
それを4回ほど繰り返し、しっかりと水をあげます。
発芽適温の20℃から30℃を保つようにします。
発芽までは用土が乾かないように注意しましょう。
早くて3日程度で発芽します。
◎ミニトマト苗の間引
双葉が出て本葉が出てきた頃に、
ポットに蒔いた種のうち、
一番生育の良い苗を残して間引きします。
生育の良さもそうですが、
奇形苗や病気の苗も間引き対象です。
総合的に判断して、
一番良い苗を1つ残しましょう。
この状態で本葉が8枚程度にまで育ったところで、
ポットやプランター、
もしくは畑に定植をします。
◎ミニトマトの良い苗の選び方
種を蒔いても育てられますがミニトマトの苗を購入して定植すれば栽培の難易度はグッと下がります。
時期は4月くらいからホームセンターや種子園芸店、
もしくは通信販売でミニトマト苗の販売が始まります。
実物を見て選べるホームセンターで、ミニトマトの苗を購入してみましょう。
・ミニトマトの苗をホームセンターで選ぼう
良い苗の条件は下記の通りです。
□葉っぱが濃い緑色で元気と勢いがある
□子葉(双葉)がついている
□つぼみがついている
□病害虫に侵されていない
□茎の太さが鉛筆の芯程度の太さがある
店頭に並んでいる苗は売り物なので、むやみやたらに弄ったりせずに、マナー良く選びましょう。
一番いいのは、ホームセンターに電話して苗の入荷の予定を確認してしまう事です。
やはり質のいい苗から売れていくものですので、あらじめ入荷を確認していれば希望の品種や質も良い苗が手に入る可能性はグンと上がります。
・5月上旬ごろまでに苗を購入
ホームセンターには4月頃から苗が店頭に並び始めます。
定植の時期を考えると5月のGWまでに苗を入手したいところです。
その理由としてはポット苗の根っこは、若いときほど他の場所に植えても定着しやすいです。
しかし売れ残ってしまい適切な時期に定植されなかったポット苗は、根っこが生長できなかった
ために老化していきます。
それを老化苗といいます。
その売れ残ってしまった老化苗を例えば7月に購入して、畑やプランターに定植したとします。
根っこがうまく定着できる時期を過ぎているので、盛夏の暑さに耐えられない事も含めて、
老化苗が上手く育つのは難しいです。
そのため苗の最適な購入時期は定植も考慮すると5月のGWがリミットとなります。
◎ミニトマトの植え付け(定植)
ミニトマトの苗を定植させます。
本葉が8枚くらい出ていれば定植のタイミングです。
まずはポットよりも一回り大きく土を掘っておきましょう。
ポット苗には根鉢の部分に、十分に水を含ませておきます。
・植え付けの手順
ポットの底には穴が空いていると思うので、そこから指を入れてポットと苗を分離させます。
このとき、根鉢を崩さないように気をつけます。
(ミニトマトは根鉢を崩されることを嫌います)
そしてあらかじめ掘っておいた穴に、根鉢を入れます。
そうしたら土をかけて、たっぷりとしっかりと水をあげたら定植は完了です。
マルチ・敷きわら・寒冷紗《地植え》
マルチと敷きワラは役目が一緒で、
乾燥防止、病害虫防止、雑草を生えにくくさせる効果があります。
また、春先などで夜に気温が下がりすぎる懸念がある場合(10℃を下回る場合)は、
防虫も兼ねて寒冷紗を掛けておくと安心です。
◎ミニトマトの日頃のお手入れ
ここからは収穫まで、適宜行っていくお手入れ方法について説明していきます。
◎ミニトマトの水やり
・鉢植え、プランター
基本的に水やりは鉢土の表面が乾いたら、プランターの底から流れてくるまでたっぷりと水を与えます。
そして後日土が乾いていたら上記同様に水をあげる、の繰り返しになります。
・地植え
地植えの場合は、ミニトマトの葉先が少しだけ、しなびてきてからあげるようにします。
地植えは土の表面は乾いているように見えても、地中深くは水分があって湿っているパターンもあるので葉っぱの萎れ具合を参考にします。
水やりを完全に雨に頼ってしまうと水分が不足するケースがあります。
ミニトマトの水やりは1日何回?
ミニトマトは1日に何回あげるというよりかはプランターなら土の様子をみて、
地植えなら葉の様子をみて水やりをするので1日に何回も水をあげる必要はないです。
あくまで乾燥気味に、がポイントです。
水やりのし過ぎは失敗する!
ミニトマトは乾燥した気候の土地で生まれた植物ですので、水をあげすぎると栽培に失敗します。
根腐れを起こしたり、実が水分を含み過ぎて皮の生長が追い付かずに裂果したりします。
ミニトマトの水不足で起こる症状とは?
いくら乾燥状態を好むミニトマトと言えど、
水が足りないと葉っぱがしおれて下を向いてしまいます。
土がカラカラに乾いていて葉が萎れていたら水をあげるようにしましょう。
◎ミニトマトの支柱の立て方
苗から10cmほど離したところに支柱を立てます。1本だけ立てるのもありです。
強度に不安を感じるなら合掌タイプにしましょう。
苗から10cmのところに支柱を1本立てて、反対側にも苗から10cm離したところに
支柱をもう1本立てて、支柱の上を交差させてしっかり縛ります。
これが合掌タイプの支柱となります。
ミニトマトをとぐろ状にする方法《鉢植え》
朝顔の支柱に使われているような4本の支柱をさらに円形の支柱でぐるっと囲った様な支柱は
あんどん型支柱といいます。
その支柱に沿ってミニトマトをらせん状に生えさせて管理すると、
支柱の上限の長さまで苗が生長したとしても、苗を引き下ろせばいいので、
気にせずに栽培が可能となります。
◎ミニトマトの誘引
麻ひもなどを使って苗を支柱に誘引します。
ゆるめに8の字に結んで誘引していきます。
最後の結び目は支柱側に来るように結んでいきましょう。
◎ミニトマトのわき芽とり、芽かき(整枝)
主となる枝の脇から出てくるものがわき芽と呼ばれるものです。
そちらに栄養を取られないようにわき目は摘んでしまいましょう。
出てきたばかりなら手で簡単に摘み取れます。
芽かきは晴れた日の午前中がベストなタイミングです。
(切り口が乾きやすいため)
雨の日は切り口が乾きづらいためわき目かきには適しません。
もし生長が進んでいるわき芽なら、ハサミを使って脇芽を取ります。
その際、他の植物への病気の感染を防止するために
ハサミは毎回アルコールで消毒をしましょう。
摘み取った脇芽は株元に落として放置したりせずに畑の外に持っていき処分します。
(株元に落として放置するとカビが生えたりします)
わき目かきをしないのは失敗する
わき目は放っておくとどんどん生長し、栄養もそちらにとられます。
主枝と脇芽を育てて2本仕立てにする予定でない限りは脇芽は基本的に全て除去します。
わき目をキッチリと除去して、今実ってる実など、しっかり届けるべきところに栄養を回してあげましょう。
◎ミニトマトの仕立て方、1本仕立てと2本仕立て
ミニトマトは主枝だけで育てる1本仕立てと、収穫量を増やしたいなら脇芽を育てて2本仕立てで育てる事もあります。
2本仕立ての場合は第一果房の脇芽を育てると勢いがあるので上手く行きます。
2本仕立ての場合は2本目の脇芽用の支柱も必要となります。
しっかり支えてあげましょう。
◎ミニトマトの摘心(摘芯)《鉢植え・プランター》
ミニトマトの苗が支柱の高さの上限まで育ち、また秋物野菜を植えるために今ついている果実を早く確実に育てるために、摘心をすることがあります。
実がなっている場所から上の部分をアルコール消毒したハサミでカットします。
しかしながら、矮小トマトであるレジナなどはそもそも草丈が20cm程度にしかならないので
摘心の必要がない場合もあります。
これは品種によりますのであらかじめ自分の育てる品種が
摘心が必要な品種かどうか調べておくといいと思います。
◎ミニトマトの肥料・追肥のやり方、考え方
ミニトマトはあまり肥沃でない土壌の地域出身の植物なため、肥料を少な目で育てるのが基本です。
肥料をあげすぎると葉っぱばかりが生い茂り、肝心の花がつかないことはよくありますので注意が必要です。
〈POINT〉 追肥は果実肥大を確認してから!
培養土を使用している、もしくはブレンドした土に元肥を施しているなら一つ目のトマトの実が結実しだしたタイミングで追肥をします。
固形肥料を用意し、説明書通りの量を株から離れたところに撒きます。
鉢やプランターなら壁際に、地植えなら畝の端に施肥でいいでしょう。
(肥料が直に根っこに触れると肥料やけを起こすことがあり
良くないので離れたところに撒きます。)
水やりをすることで有効成分が溶け出し、
おだやかに効いていきます。
液肥の場合は大体500倍まで原液を水で薄めて使うので、
そのまま水やりの要領で株元に施肥します。
〈POINT〉 実が付くまでは肥料を控えめに
実がつくまでは肥料は控えめにしないと葉ばかりが茂って、
花がつかない事がよくあるという事は説明しました。
ですから培養土で栽培している、
もしくは土に元肥を施しているなら実がつくまで施肥しなくても問題ありません。
初めての実がついたなら、しっかり最初のその実を結実させることがその後の結実に影響するため、追肥をしましょう。
さすがのミニトマトも実をつけるのは体力を使うので、肥料は必要になります。
ミニトマトの葉が多いのはなぜ?
葉が多いのは肥料が多いとそのような状態になります。
肥料のなかのチッソ分が多いと葉っぱがどんどん茂り、葉が多くなってきます。
しかし葉が茂り過ぎると過繁茂といって花がつかなくなったり、葉っぱ同士が
密になり病害虫に侵されやすくもなります。
そのため肥料をあげ過ぎないようにして葉が多く茂り過ぎないようにしましょう。
◎ミニトマトの発生しやすい病害虫・生理障害
《病気》
・うどんこ病
→葉っぱが白い粉をかけたような状態になってしまいます。
・べと病
→葉っぱに角ばった斑紋が出来ます。
・疫病
→葉っぱや茎や果実に病斑が入ります。
これらの対策法は病変した葉は取り除き、
密植をさけて風通しを良くし、
水はけも良くします。
《害虫》
・アブラムシ
→株全体に寄生して汁を吸い、株を弱らせてしまいます。
・ハダニ
→葉裏に寄生して汁を吸います。
・ヨトウムシ
→葉っぱや実を食害します。
・コナガ
→葉を食害します。
・カメムシ
→果実を吸害します。(実は臭くて食べられなくなります…汗)
これらの対策はあらかじめ防虫ネットを張っておくか、
捕殺するか園芸用殺虫剤で殺虫します。
《生理障害》
・尻腐れ病
→実の尻の部分が黒褐色に変色してしまいます。
・裂果
→実が水分を含み過ぎて皮が裂けます。
これらの対策は尻腐れ病ならカルシウム剤を葉面散布し、
裂果予防は水をあげ過ぎないことと、露地栽培なら雨除けを作って
果実を雨に当てないのが大事です。
〈POINT〉 梅雨期の防除が重要!
地植えで育てている露地栽培の場合、
雨風が吹いて泥はねが葉っぱなどにつく事で糸状菌(かび菌)が原因となるうどん粉病や疫病にかかりやすくなります。
地植えの場合はマルチや敷きワラを敷く事でこの被害を軽減させることが出来ます。
◎ミニトマトの雨よけ屋根
露地栽培の場合、雨が直接株にかかるのは裂果したり病害虫に侵されたりする危険があるので
雨除け屋根を作ります。
Uの字をひっくり返したカタチの支柱を用意します。
畝にそれを何本か株の上に立てて、上の方をビニールで覆って屋根を作ります。
◎ミニトマトの人工受粉
ミニトマトは支柱をバシバシ叩くだけでも受粉が可能です。
花を指先でぴしぴし弾いても受粉できます。
着果管理~収穫まで、最初の果実を確実に着果させよう
ミニトマトは一番最初の果実を確実に実らせることが、その後の実つきを左右すると言われています。
トマトトーンというホルモン剤をかけると確実に着果できます。
★トマトトーン
ミニトマトの第一果房を摘果するとは?
これは最初に出来た実を敢えて、取ってしまう事で苗自体の体力を温存し、
長期的な栽培に備えて一番最初の実をつける労力を他の実を育てることに回してしまおう、
という考え方の元に「一番最初の実を摘む」ということです。
個人的には一番最初の実をつけることが大事だと思っているので一番果を摘果はしませんが、
そういう考え方もあるのだと思っています。
また、これは“トマト”の話しなのですが、
一番最初に出来た実をあまり大きく育てすぎると、
トマトは子孫を残すという目的を、
「もう達成した!」と思いこむのです。
なので実がなったことを確認したら青い状態のまま、赤くなる前に摘果してしまう事を指します。
そうするとトマトの方では異常事態を察知し、次々と子孫を残すように働く…という理屈です。
これは大玉トマトではその傾向が強く、ミニトマトでは気にしなくても良い事です。
〈POINT〉 尻腐れ症の対処法
ミニトマトのカルシウム分が足りていない事で、尻腐れ症を発症します。
一旦尻腐れ果が発症してしまえば発症した果実自体は元に戻すことは出来ません。
ですがカルシウムを追肥する事で尻腐れ果の予防は出来るでしょう。
そこで葉面散布用のカルシウム肥料を使ってみましょう。カルシウム剤を蒔くよりも即効性に優れています。
葉面や果面への散布用カルシウム肥料!
★ダーウィンFC 100 (1kg)
肥料をあげ過ぎている場合も
カルシウムの吸収を妨げることがあるので
尻腐れ症を発症する場合がありますので
気を付けましょう。
尚、培養土を使っての栽培や、
自分でブレンドした土に苦土石灰を撒いて
ph調整が出来ている場合は
殆ど尻腐れ果の心配はないでしょう。
◎ミニトマトの増し土と中耕
ミニトマトの苗は度重なる水やりなどで土の容積が減っていきます。
株の根元が露出してしまう事も珍しくありません。
そのため増し土をして土寄せも行いましょう。
地植えの場合は畝を耕して土寄せします。
栽培中に土を軽く耕すことを中耕と言います。
固まった土がふかふかになって
新鮮な空気が送り込まれます。
一か月に一回程度中耕するとミニトマトは喜びます。
◎ミニトマトの鳥害対策
ミニトマトは赤く実ったら鳥に狙われます。
カラスやムクドリにせっかく実った実を食べられることを防ぐために、
水切ネットで覆ってしまえばいいでしょう。
◎ミニトマトの収穫
いよいよミニトマトを収穫する時がやってきました。
青いまま収穫して追熟も出来なくはないですが、
やはり完熟状態での収穫が一番いいでしょう。
・プチトマト収穫のタイミングとは
まずは実が全部が全部真っ赤っかに色づいていて、
ヘタが反り返っていたら収穫時です。
この状態になって木に残していたとしてもそれ以上甘くなることはなく、
皮が固くなって味が落ちるだけなので収穫の時を迎えたら、
すみやかに収穫しましょう。
・ミニトマトの収穫はハサミを使う?
ミニトマトの収穫は、ハサミを使わなくとも指で簡単に取れます。
実と茎をつないでいる果梗という部分に、
「くの字」に折れ曲がっている部分があります。
その部分を指で折ると簡単にとれます。
◎ミニトマト収穫後の抜き取りについて
ミニトマトの株を処分するときに、必ず見てほしい箇所があります。
根っこがデコボコしていたら、
「ネコブセンチュウ」にやられている可能性があります。
まずはネコブセンチュウにやられた根っこを全部取り除きます。
ミニトマトを育てていた用土はビニール袋に入れて水を含ませ、
日光に当てて消毒をします。
片面につき3日くらい日光に当てます。
そして用土と同量の堆肥、
用土の1/4程度の量の
腐葉土とバーミキュライトを
混ぜ合わせます。
有機石灰も100gほど撒きます。
化成肥料も用土10リットルあたり20gほど撒きます。
これで次の野菜も植え付けが出来ます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ミニトマトの種まきの前準備から、
ミニトマトの栽培を終えて、
次の作物を作る準備まで
大まかに紹介させていただきました。
地植えでもプランター栽培でも、
美味しいミニトマトを
作ってみましょう。
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